図書館本
2011年 旬報社の「権力VS調査報道」の続編に相当するとの事

最近では新聞より週刊誌の方が調査報道しているんじゃないかと思う程です。
あるいはフリーランスの方がオープンソース(インターネットや情報公開法等を利用して)から
違法な行為を暴き出したり、権力の乱用を指摘したりしています。

権力の監視機能としてのジャーナリズムの必要性を否定する方は少ないでしょう。

調査報道が出来ないメディア(新聞、テレビ、ラジオ、紙媒体)はどんどんと退場して欲しいと
思う今日この頃です。
記者クラブでの政府広報だけの発表報道にならないために何が必要なのか?

さて本書
まさに調査報道を行って来たジャーナリストの実体験が語られます。
悪を眠らさないための記者達の矜持を感じます。
調査対象者に食らい付き、証言を取り、証拠物件を押さえる。
時に政治の目の届かない処で隠密活動をする官庁がある
リクルート事件も、田中角栄逮捕も、種々の政治とカネ、談合疑惑等、多くが
調査報道されることにより公になる。

現在で言えば、モリカケ:桜 コロナ禍での持続化給付金での電通疑惑等々
どうかジャーナリズムの矜持を見せて貰いたい。



こんな目次です。
1防衛の壁を崩す
●秦融氏・木村靖氏(中日新聞)に聞く
日々飛び立つ自衛隊機 「いったい何を運んでいるのか」 その自問を執念で追いかけた
●石井暁氏(共同通信)に聞く
首相にも防衛相にも内密 「自衛隊 独断で海外情報活動」の記事はこうして生まれた

2 原発事故の「真相と深層」に迫る
●日野行介氏(毎日新聞)に聞く
原発事故は終わっていない どこからどう「その後」に切り込むか
●萩原豊氏(TBS)に聞く
「なぜ原発事故の現場に行かねばならないか」 諦めず上層部を説得
組織として筋を通す 調査報道に必要な胆力とは

3 情報公開請求を駆使する
●日下部聡氏(毎日新聞)に聞く
憲法解釈の変更 隠された真実を追え 内閣法制局の裏側に「情報開示請求」で迫る

4 調査報道の新しい形を目指す
●アレッシア・チェラントラ氏(フリージャーナリスト)に聞く
「個」のジャーナリストとして立つ 取材情報はシェアする時代
調査報道記者の連携が「次」を切り開く
●立岩陽一郎氏(ジャーナリスト)に聞く
調査報道は市民のためにある その未来を考え、行き着いた先

権力監視の条件と環境 高田昌幸
なぜジャーナリズムが絶滅へ向かうのか 大西祐資
インタビューを終えて 松島佳子