図書館本(やっと順番が回ってきました)

今年読んだ書籍のベスト5に入るであろう良書

経済人は文化人であれと言ったのは城山三郎さんでしたっけ?
まさにそのカテゴリーの上位に位置する丹羽さん(1939-)だと感じました。
そして、本書が石橋湛山が居た東洋経済から出版されているのも良いですね。
本書出版の後に歴史的な南北朝鮮対話、トランプ大統領と金正恩氏との会談などがある。

いかに戦争が愚かである事を戦争体験者の回想やご自身の生き様の中から綴っています。
是非多くの方に読んでいただきたい書です。

備忘録メモ
「歴史」とは、勝者による、勝者のための、勝者の物語
中国が改めないなら、こちらも改めないというのは、あまりに幼稚な態度。
常に相手に非があるとするのは、紛れもなく精神的後退である。
ビジネスには正しいビジネスと間違ったビジネスがあるが、戦争に正しい戦争はない。
差別や蔑視が戦争に向かって背中を押す力、拡大させる要因になる。
膺懲(ようちょう)の文字が線損の新聞に踊る。実力行使で懲らしめるの意味。
交渉はAgree to differ からはじまる。
伊藤忠社長の時に4000億円の不良債権処理
保身、無責任:旧陸軍の満州での行動 負債の拡大
無責任文化、縦割り組織の弊害 権限・責任の不明確さ
1944年のマリアナ沖海戦での制海権、制空権の消失後から終戦までに200万人以上の戦没者
戦前の日本人の侮華(ぶか、チャンコロ)思想、土人思想 アメリカのベトナム戦争時のベトナム人は人間以下だという教育
味方同士(日本軍)での食料の奪い合い、殺し合い、人肉食
現地人虐殺、暴行、強姦 南京、フィリピン、平頂山事件 理不尽な殺人
悲劇の連鎖を止める 撫順戦犯管理所(日本人戦犯の待遇はよかった)周恩来、蒋介石ら
旧日本軍の毒ガス兵器 推定20−30万発 吉林省
同盟関係は無関係な戦争に巻き込まれる危険
スイス、スウェーデンのような安全保障政策
石橋湛山の小日本主義 満州放棄
「資本は牡丹餅で、土地は重箱、入れる牡丹餅がなくて、重箱だけ集むるのは愚であろう。牡丹餅さえ沢山出来れば、重箱は隣家から、喜んで貸してくれよう」湛山
国力にとって最も重要な影響力のあるファクターは領土や資源より労働力。
国力とは、その国の国民の質と量の掛け算である。土地は借りれば良いし、資源は買ってくれば良い。質の高い国民は、自国で育てるしかない。
いまさら止めるわけにはいかないという理由で「目的なき戦争」に突っ込んでいった旧陸軍のご都合主義。 戦意を高揚させていったメディアの責任も大きい。
中国の国防費はGDP比で見れば1.3%ほどで推移。日本と同程度(額が違う)
中国は過去の債権回収を始めた 阿片戦争、21か条の要求
日本人の中国嫌いは世界の少数派 日本人は世界一中国が嫌いで中国を脅威に感じているが、自国の安全保障や防衛にはまったく無関心(アメリカが付いているし?)
アメリカの本音 日本が中国との関係悪化させてアジアの火種になることでアメリカが巻き添えを食う
敵をつくらない政策を基軸として、その先の非常事態に備える手段が抑止力であり防衛力である。
防衛予算とは企業でいえばリスクマネジメントのためのコスト
安保条約がなければ日本は中国に侵略されるからというような、現実ばなれした浅はかな議論ばかりを続けているようでは日本の安全保障は心もとない。
1944年のマリアナ沖海戦の負けで日本は戦争を止めるべきだった。古賀誠氏
「決断するべき決断をせずに200万人の犠牲者を出した為政者と一緒に祀られることを英霊が喜ぶはずがありません」古賀氏
歴史修正主義:あの戦争は正しかった
虐殺とは殺した人の数ではなく、殺し方が非道であれば虐殺なのだ。三笠宮親王
日本に必要なのはポリティシャンではなくステーツマン(Statesman,賢人政治家)
エリート教育3つの心がけ 1.アリになること(コツコツ、地道に働く)、2.トンボの目を持つ、近現代史、戦争を知る事 3.自分の心に忠実に、人々、社会のために

丹羽宇一郎 戦争の大問題
丹羽 宇一郎
東洋経済新報社
2017-08-04