図書館本

東北学の赤坂さん(1953-)の300ページを超える大著。
時間が出来たらゆっくりと読みたいと思います。
今回は超斜め読み。

食べる、交わる、殺す
神話、民話、柳田民俗学、レビイ・ストロース
殺生と肉食の関係性 クジラの胎児の埋葬
食と性のタブー
カニバリズム
などなど

凄い本です。



目次
はじめに

序 章 内なる野生
 野生の呼び声が聞こえる
 汚れた野生の王国のかたわらで
 いのちの根源は、ひとつか複数か

第二章 異類婚姻譚
 縫いぐるみの神話学
 異類婚姻譚の裂け目に
 残酷なるもの、結婚とわかれ
 ふつうの動物との結婚
 生き物はみな人間に姿を変える

第三章 食と性と暴力と
 肉食の終焉、そして黙示録的な未来へ
 殺生と肉食をめぐる問い
 子どもを食べたがる怪獣たち
 グリムの森の魔女と動物たち
 哄笑と残酷のゼロ地点に
 子どもの本のおいしい食べ方

第四章 動物をめぐる問題系
 糞と尿のあいだから生まれる
 自己からの距離、分類とタブー
 内なる動物性からの逃走という逆説
 穴とヴァギナの精神分析
 自己消費のタブーから共同の家へ

第五章 はじまりの神話
 自己愛と残酷を超えるために
 性のはじまり、複製から自己創出へ
 神話は泥の海を欲望する
 オノゴロ島にて、聖なる結婚と死

第六章 女神の死
 九相図のもとでの性と死の交歓
 腐敗と恐怖をめぐる形而上的な問い
 オホゲツヒメの死と作物の起源
 ハイヌウェレ神話の原像
 女神の殺害と生殖のはじまり
 神話は祭りのなかで再演される

第七章 大いなる口
 ケガチの庭に饗宴が幕を開ける
 戦場で語られた鳥喰い婆の昔話
 大いなる口は小さな劇場である
 食わず女房、または拒食の根っこに
 ふたつの口が妖しい出会いを果たすとき

第八章 生け贄譚
 桜の樹の下は魂鎮めの現場である
 まな板と箸と庖丁、痛みの記憶とともに
 贖罪の供犠と儀礼化、その終焉へ
 桟敷には根源的な暴力が埋もれている

終 章 愛の倒錯

あとがき
主な参考文献

性食考
赤坂 憲雄
岩波書店
2017-07-26