ゆがんだ磁場:リニア談合事件/下 「恩恵」「安全」住民に溝 「夢の動脈」課題が山積 - 毎日新聞


ちょっと古い記事ですが。

下記の記事の中にこんな発言がある。

東海道新幹線は老朽化し、災害でストップする危険性がある。2本目の『動脈』を通す便益は大きい」と強調。その上で「事件が計画の進行に影響を与えてはいけない」

リニアも巨大地震でストップしますよ。東海道新幹線と同じく。
そして、リニアは貨物輸送出来ませんよ。乗客数も新幹線の半分。
さらに災害時には大深度地下やアルプス地下のトンネルを安全確認しなければなりません。

中央本線は貨物も走るし関西の災害時には活躍しますよね?

結局、国土交通省小委員会の委員ってリニアムラのムラビトだけなんですよね。リニアが欲しい訳でなくて、リニアの工事が欲しいんだよね。あるいは学生をゼネコンに入れるため?



以下記事

車がすれ違うのも難しい県道を工事車両が次々と行き交い、険しい山あいに工事のつち音が響く。標高1000メートル以上の長野県大鹿村(人口約1000人)の釜沢地区。2027年の品川−名古屋間開業を目指して建設が進むリニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区の最前線だ。

 大鹿村を含む県南部14市町村はリニアの建設促進を基本方針としてきたが、16年に鹿島がトンネル工事に着手し、状況が変わった。「住民にリニア賛成派、反対派のレッテルが貼られ、地区が分断された」。14年から同地区自治会長を務める谷口昇さん(47)の悩みは深い。
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 村内の県道はトンネル工事で出る約300万立方メートルの残土を運び出すため、整備や拡幅が進む。車で約40分先にある市街地の同県松川町とを結ぶ生活道路でもあり、「リニアの恩恵」との受け止めがある。一方、工事車両がピーク時で1日1350台も通る計画に、通学などの不安を口にする人も多い。また、残土置き場の候補地とされる松川町では、道路拡幅を条件に受け入れるとする地区と、土砂災害を誘発するとして反対する地区との溝が生まれている。

 谷口さんにとって経済効果や談合事件は「別世界のこと」だ。「都会の論理で進む事業のしわ寄せが地方に来るというゆがみを知ってほしい」と訴える。

     ◇

 「全線開業を最大8年間前倒しし、全国に広がる地方創生回廊を作り上げる」。安倍晋三首相は16年7月の記者会見で、国が低利子で資金を貸し付ける財政投融資をリニア中央新幹線に活用すると表明。建設費9兆円のうち3兆円を財投でまかない、45年に予定していた大阪延伸を前倒しする方針が決まった。

 政府は東京、名古屋、大阪が約1時間で結ばれることで「人口7000万人の世界最大の都市圏が形成される」との成長戦略を描く。東京五輪後に開発需要が冷え込むとの見方がある中、リニアに対する政財界、中間駅ができる沿線自治体の期待は大きい。

 だが、財投活用で事業の公共性が増したことで、建設業界には「検察が介入する動機付けを与えた」との声も漏れる。品川−名古屋間のうち、南アルプストンネルやターミナル駅など発注済みの主要工事への影響はないが、今も6割強の工事が未契約だ。財投は将来返済する必要があり、工期の遅れなどで生じるコストと重なって、JR東海の運賃値上げに跳ね返るとの観測も消えない。

 リニア計画を審議した国土交通省小委員会で委員を務めた竹内健蔵・東京女子大教授(交通経済学)は「東海道新幹線は老朽化し、災害でストップする危険性がある。2本目の『動脈』を通す便益は大きい」と強調。その上で「事件が計画の進行に影響を与えてはいけない」と語る。

 世界も注目する「夢の超特急」。談合事件は図らずも光と影の一部を浮き彫りにしている。