図書館本

大西氏(1965-)のまさに調査報道記録。
原発を巡る官と民との国策としての施策が最終的には東芝崩壊に導いた歴史を東芝の内部情報(情報提供者)やメイルのやり取りを基に詳細に綴っています。

現首相秘書官の今井氏などの経産省時代の動きが非常に興味深い。
そして東芝の粉飾決済(未だに会計不正という括り)がいかにコンプライアンス違反なのか、さらに多くの東芝幹部がその不正に関わっていたかがわかります。
まともに、まじめに働いて東芝に利益を積み上げて来た半導体部門等(フラッシュメモリー等)の社員の皆さんは今何を思うのだろうか?
140年の歴史と19万人の雇用を抱える名門を吹き飛ばした原発輸出という国策
サラリーマン全体主義の成れの果て、粉飾に繋がる行為を仕事としてやってきた


備忘録メモ
WH買収の陰に勝俣兄弟 東電と丸紅
1982年入省トリオ 今井尚哉、嶋田隆、日下部聡
WH買収額 6600億
2015年までに世界で33基の受注を計画
原発を運営する東電、原子炉をつくる東芝
2001年9月11日以後 アメリカ原発の航空機衝突対策義務付け
東芝原子力部門 横浜 磯子エンジニアリングセンター
3.11以後 チーム仙谷 東芝 田窪 仙谷3人組 1982年入省トリオ 今井尚哉、嶋田隆、日下部聡 大阪の橋下徹市長を脱原発から再稼働へ転向させた
今井氏のWH訪問 2011年11月
モンゴルプロジェクト モンゴル産ウランの利用と廃棄物のモンゴルでの処理 米エネルギー庁 ポネマン副長官、今井氏、田窪氏 その後没に
原発の海外輸出 東芝田窪 経産省今井 安倍首相
東芝名誉顧問 西室氏(日本郵政社長、その後死去)と不正会計の歴史
利益水増し 2300億 WHの倒産
福島第一の廃炉を現実的に仕切っているのは東芝と日立製作所
土光氏以降の東芝は盲目的に国策に従った
廃炉ビジネスが東芝に残された最大の収益源 8兆円では収まらない。
東芝の半導体メモリ事業の価値は1兆5千億、2兆とも言われる。舛岡 富士雄が1986年開発、その後干されて1994年に東北大学へ そして半導体部門は身売りされることになる。