図書館本

著者の被害者への取材や事件現場での聞き取り等が興味深い。
農大の山崎さんの解説が丁寧で分かりやすい。

いずれにしても、人間の多様性と同様に、クマにも多様性があり、本来人間と遭遇したくはないクマが多数だが、ヒトを襲って食害を起こす個体もいる。

また事故は出会いがしらが多いが、ヒトを認識して襲う場合もある。

自己責任においてクマとの遭遇を想定して山に入る(登山、山菜取り、釣り等)事が重要であることが本書からよくわかる。

日本クマネットワークのHPから「鹿角市におけるツキノワグマによる人身事故調査報告書」が
ダウンロード出来るとの事。
鹿角市の事故(4件の死亡)では情報共有が不十分であったことを指摘している。


目次
第1章 日高・カムイエクウチカウシ山のヒグマ襲撃事故
第2章 インタビュー 地元猟師が語る、秩父のクマの今
第3章 近年のクマ襲撃事故(雪山に出没したクマ(上越国境・仙ノ倉山)
畳平駐車場襲撃事故(北アルプス・乗鞍岳)
休日の山頂付近に現われたクマ(奥多摩・川苔山)
子連れグマ襲撃事故(滋賀・高島トレイル)
山菜取りの連続襲撃事故(秋田県鹿角市の山林)
里山に出没したクマ(奥武蔵・笠山))
第4章 クマの生態と遭遇時の対処法(ツキノワグマとヒグマの生態
最近のクマの出没と事故
人身事故増加の背景
クマとの付き合い)