作家故松下竜一さんの家族が蔵書寄贈 - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate


最も尊敬する方の一人です。
本当に凄い人だと思います。

ダムの事、公害のこと、政治のこと。
多くの事を本から教えて頂きました。


以下記事


中津市立小幡記念図書館、来月から一般閲覧

 反権力や反原発、環境問題、冤罪(えんざい)などを扱った作品や市民運動に取り組んだ中津市の作家松下竜一さん(2004年死去、享年67)の蔵書が家族から中津市立小幡記念図書館に贈られた。6月1日から館内の郷土作家資料室(仮称)で一般閲覧できる。関係者は「確固たる思想を支えた蔵書に触れられる場所ができた」と喜んでいる。
 松下さんは生涯、同市船場町で暮らした。生家の自宅はデビュー作「豆腐屋の四季」の舞台になり、ノンフィクション作品の創作や市民運動の仲間たちとの拠点だったが、昨年末、市道拡幅工事で取り壊された。
 松下さんを支えた「草の根の会・中津」(梶原得三郎代表)のメンバーが、蔵書4千冊以上のうち約3千冊を保管。市と協議し、目録化を終えた1日、図書館に612冊を運び入れた。
 ▽冤罪の仁保事件を書いた「タスケテクダサイ」(金重剛二著)▽歌人近藤芳美さんの「無名者の歌」▽機関誌「草の根通信」の随筆集―など弱者の思考や反骨心の醸成をうかがえる文献のほか、文学の師と仰いだ上野英信(記録文学作家)、ノンフィクション作家の徳永進、下嶋哲朗らの作品がある。
 テレビドラマ「豆腐屋の四季」(緒形拳主演)の脚本や、映画化を見据えた企画脚本も。趣味の洋画観賞の内容をチラシや自筆などでまとめたアルバムもあり、あまり知られていない横顔を知ることができる。
 梶原代表らの元には今も「松下さんを深く知りたい」という人が遠方から訪れるという。一方、死去10年目の14年を最後に「竜一忌」が閉会。生家も消え、支援者から「しのぶことができる場所があれば」との声もあった。
 梶原代表は「一区切りついた。年々生きづらくなっている状況の中、松下作品や運動は今でも多くの人に注目され、よりどころになっている。ぜひ活用してもらいたい」と話している。
※この記事は、5月5日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。