図書館本 良書

無教養の僕は峠さんが樫田さんだと最近知りました。
樫田さんと同じ年齢の僕ですが、あまりに経験値が低い自分に腹が立ちます。
最近の樫田さんの活動が実は彼の若いころのアフリカ、アジア、オセアニアの経験に裏付けられていることが本書で確信できました。
幸せとは何か、平和とは何か、生きるとは何か、そんな問いを自らの森の経験と世界での経験から綴っています。

ボルネオのサラワクに通い続けた筆者が経験した素晴らしい社会、そこから導きだされる平凡という幸せ。
そして、その森が破壊されていく現実がある。第9章が辛い。

備忘録メモ
夢や大志を抱くことは確かに美しい。しかし一方で、夢や大志をもたずに生きている人を美しくないと言えるだろうか?
森の中の生活は平凡きわまる。そこには、夢は存在しない。そこで聞かれたのは「平凡でも、いっしょに生きる仲間がいるだけで幸せだ。それ以上望む事はない」という言葉だった。平凡な生活こそ、この世で一番美しい。


目次
第1章 赤ん坊は親だけで育てない
第2章 子どもをほめない、くらべない
第3章 料理は一人で、食べるのはみんなで
第4章 森は私だ、私は森だ
第5章 他人にはぶっきらぼうでも構わない
第6章 他人を助けるなんてできない
第7章 安心して死ねる場所で生活する
第8章 大志を抱かず、夢をもたない
第9章 大都会にも森はある

出版社のHP
樫田さんの略歴

9つの森の教え
峠 隆一
築地書館
1994-12