山怪はベストセラーになった。
それで続編のようである。

田中さんの本はほぼ全部読んできたが、一番好きなのは
マタギ 矛盾なき労働と食文化 2009 である。

またマタギ関連本もそれなりの読んで来た関係で山の民俗誌等に興味がある。

山での不思議体験、神秘体験は山に係わる人々(杣人、猟師、釣り師、林業関係者等々)には
少なからずお持ちの様だ。
そういう私も、源流域で鎖骨骨折して夜一人で渓流沿いの林道を下ったいる時に深い渓の瀬音に
交じって、集団の笑い声や話し声を確かに聞いた(もちろん、痛みによる妄想やら幻聴の可能性は
否定しないが)。

山怪の読書メモでも書いたが、再掲しておきたい。
内山節さんの「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」 (講談社現代新書)

当時の自分の読書メモ
「科学では捉えられない世界をつかむことが出来ない人間達をつくった時代、1965年を境に日本人はキツネにだまされなくなってしまった。森や海がもはや畏怖する存在でなく科学が自然を管理できるという驕りの中に、人間の魂も動物の魂も森や海には戻っていかない。その様な社会が進む時、豊かさとは、発展とは、果たして人間にどのような未来を開いているのだろうか。市場経済と言う文脈の中に、心も体も疲弊した人々の姿が見えてしょうがない。
キツネ、タヌキあるいは河童や天狗などの物語でない経験や語り継がれた民俗を失うことが何を意味するのか?」

転載ここまで

本書では残念ながら山で遭難して生き延びた方の話も少し出てくるが、その遭難者が何を聞き、何を見たか等の取材は残念ながら無い。
是非ともそんな取材もお願いしたいと思う。