リニア建設に輸出…JR東海・柘植康英社長が明かす「次の30年」への5大施策とは (産経新聞) - Yahoo!ニュース


当時の大蔵省が絶対認めなかった、中央新幹線構想。
昭和の3大馬鹿査定、そして平成の馬鹿査定を拒んだのも官僚である。
費用対効果も?、安全性も?そして電力消費量も既存の3倍と言われるバカ事業
さらには自然を大破壊して作る巨大トンネル、大深度地下という買収費がかからない制度を利用して
進む都市部の地下トンネル。

さらに、アメリカに無償技術供与? まあアメリカの環境アセスメントが日本ほど愚かなゼネコン側に傾いてはいないことを期待したい。


以下記事
 1987年4月の国鉄分割民営化からまもなく30年。この節目の年の位置付けについて、JR東海の柘植康英(つげ・こうえい)社長(63)は「『次の30年』に向け準備してきた多くの施策が本格稼働する年だ」と、さらなる飛躍への意気込みを示す。同社最大の事業であるリニア中央新幹線の建設は、国による3兆円の財政投融資が決まったことで資金調達のハードルをクリアし、やはりビッグプロジェクトである米国への新幹線輸出の成否は、いよいよ正念場を迎える。そうした中で柘植社長が挙げる「重点5施策」の中身と、今後の見通しは…。

 (1)リニア「名古屋の用地取得」が課題

 柘植社長が重点施策の第1に挙げるのは、何と言ってもリニア建設だ。2014年末に着工し、品川駅や難工事が予想される南アルプストンネルのほか、昨年末には名古屋駅の本体工事にも取りかかった。各工区での工事が本格化する中、「その他の契約を着実に」(柘植社長)進められるかどうかが、今後の焦点となる。

 具体的には、名古屋駅周辺の用地取得だ。駅東西にまたがる約2万3000平方メートルを買収する計画だが、自社保有以外の敷地に約70棟の建物があり、地権者は120人に上る。

 複雑な権利関係などに阻まれ、JR東海から委託を受けた名古屋市の外郭団体「名古屋まちづくり公社」が進める交渉は遅れている。柘植社長は「自治体の力を借りながら、丁寧に進めたい」と強調するが、契約を完了させ、18年度中に更地にする計画通りに進むかどうかは予断を許さない状況。もしつまずいた場合は、2027年の東京−名古屋間開業スケジュールにも影響しかねない。

 (2)「ゲートタワー」で収益源を多角化

 4月には、1100億円余りを投じて名古屋駅に建設した高層複合施設「JRゲートタワー」が全面オープンする。商業施設として「タカシマヤ ゲートタワーモール」や「名古屋JRゲートタワーホテル」、家電量販店の「ビックカメラ」などが入る。

 開業後は地下部分に改札口を新設し、名古屋鉄道や市営地下鉄から新幹線に乗り換える際の利便性をさらに高める計画。駅直結の優位性が生き、昨年11月に先行開業したオフィス部分はほぼ満室といい、本業の鉄道と並んで「JR東海グループ全体の収益を飛躍させる柱」(柘植社長)となりそうだ。

 (3)「チケットレス」ライトユーザーにも拡大

 東海道・山陽新幹線が今夏から、Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)、TOICA(トイカ)、ICOCA(イコカ)といった交通系ICカードで乗車できるようになる。各カードと手持ちの決済用クレジットカードをスマートフォンやパソコンで登録すれば、ネット上で指定席を予約し、ICカードを改札口でタッチして乗車する「チケットレス乗車」が可能になる。

 既存のチケットレスサービスである「エクスプレス予約」と「プラスEX」を利用するには、JR東海の専用カード「EXPRESS CARD(エクスプレスカード)」や指定ブランドのクレカが必要なため、「出張族などのヘビーユーザー以外には使い勝手が良くない」との評価が定着してしまっていた。

 今夏からは「乗車頻度が低いお客さまや訪日外国人客も気軽に使える便利なチケットレスサービス」(柘植社長)の提供体制を整え、駅窓口の混雑緩和につなげるほか、クレカの利用ポイントをためやすくする。航空便とシェアを争う武器の一つにしたい考えだ。

 (4)「浜松工場」を効率化、リニアへの備えか

 2010年から進めていた浜松工場の大規模リニューアル工事がほぼ完成し、この1月に新ラインが稼働を始めた。同工場は、新幹線車両をバラバラに分解して徹底的なメンテナンスを施す「全般検査」の拠点。約730億円を投じて車体の研磨ロボットや塗装ロボットなどを新たに導入し、1編成16両の検査に要する日数を、従来の15日から14日へと短縮した。

 「検査精度が高まり、就労環境も向上する。鉄道のイメージを超えたハイテク工場」と柘植社長は胸を張るが、作業の効率化によって必要な人手が少なく済むようになるのも大きい。10年後の2027年に迫るリニア中央新幹線の東京−名古屋間開業に備え、リニアのメンテナンス要員を確保する狙いを秘めた先行投資とみることもできそうだ。

 (5)「テキサス新幹線」「北東回廊リニア」、米トランプ政権の吉凶は

 米国を舞台にJR東海が展開しているプロジェクトは2つある。ダラス−ヒューストン間約400キロを結ぶ「テキサス新幹線」と、米国で最も交通量の多いワシントン−ニューヨーク間(約330キロ)の通称「北東回廊」に日本型の超電導リニアを通す構想だ。

 このうちテキサス新幹線は、地元企業の「テキサス・セントラル・パートナーズ」(TCP)が主導。JR東海は昨年設立した現地邦人に社員約20人を派遣しており、主に技術面のサポートを行っている。

 目下の焦点は約1兆4000億円に上る事業費を集められるかどうかだが、柘植社長は「現地の人口増加や、(トランプ政権が推進を打ち出している)シェールガスビジネスの興隆は、民間から出資金を集める上で追い風だ」と余裕を示す。

 インフラ海外輸出を成長戦略の一環と位置付ける安倍晋三政権の方針をうけ、政府系金融機関の国際協力銀行が出資する可能性も小さくない。順調に進めば2018年に着工、22年に開業する見込みだ。

 一方、北東回廊のリニア構想が実現するには「まだまだ時間がかかる」(柘植社長)のが現実。大規模なインフラ投資をぶち上げるトランプ政権の発足はプラスに働くかもしれないが、大都市部だけにワシントン−ボルティモア間の60キロだけで100億ドルを超えるとされる事業費の巨額さがハードルとなる。

 「連邦政府がその気になれば一気に動く可能性もあるが、そもそも米国人は高速鉄道をよく知らない(ことが売り込みのネックになっている)」と、柘植社長は慎重に語る。

 JR東海はリニア技術を米側に無償提供する方針だが、もしこの構想が実現すれば、日本の技術が「国際標準」となり、各国へのリニア輸出につながる期待が高まる。それだけに「(議会へのロビー活動や)要人を招いて山梨実験線で試乗してもらうなど、地道なPRを続けたい」(柘植社長)と、長期戦の構えだ。(経済本部 山沢義徳)