図書館本

菅野さんの「日本会議の研究」より後の出版です。
だから、鈴木邦男さんのインタビューが興味深いです。ハニートラップの件とか。

日本会議の件は菅野さんの本と同様かと思いますが、参加者のリスト等は非常に詳しいです。
また、庶民はなかなか知らないであろう神社本庁の話も興味深い。
島薗先生へのインタビューも、国家神道と宗教、そして天皇制という文脈でブレがないいつもの主張
です。

入学式等で国歌を歌わせるのは中国、韓国と日本ぐらいという話は初めて知りました。

日本会議等が主張する「日本の伝統」という土台は実はたかだか明治以降という事が本書でも
明かです。歴史的天皇制と明治維新以後の国体を無理やり統合させた感じですね。

日本会議と神社本庁
『週刊金曜日』成澤 宗男編
金曜日
2016-06-28



追加
過去のメモ
国家神道と日本人 島薗進 岩波新書 2010

学校で習わない事は面白い。でも理系出身者の小生にはかなり難しい。おそらく内容の1割も理解していないかもしれない。しかし、日本の今日ある背骨の一部が体感できたように思う。国家とはどの様に成り立つのか。その根幹はどのように出来ていて、その深部になにがあるのか。

国民国家の時代には国家的共同性への馴致が目指されるが、民衆自身の思想信条は為政者や知識階級の思惑を超えて歴史を動かす大きな要因となる。また、啓蒙主義的な世俗主義的教育が進む近代だが、にもかかわらず民衆の宗教性は社会が向かう方向性を左右する力を持つことが少なくない。日本の国家神道の歴史は、このような近代史の逆説をよく例示する。P181

目次
 はじめに―なぜ、国家神道が問題なのか?
第一章 国家神道はどのような位置にあったのか? ―宗教地形
第二章 国家神道はどのように捉えられてきたか ―用語法
第三章 国家神道はどのように生み出されたか? ―幕末維新期
第四章 国家神道はどのように広められたか? ―教育勅語以後
第五章 国家神道は解体したのか? ―戦後
あとがき