図書館本

Z会オフィシャルサイト連載の「本は友だち!」に加筆修正、さらに補講を書き下ろし。

自分の無教養さを激しく自覚する一冊。
一冊の本を読む事から広がる世界、地球、宇宙の広さを感じます。
読み継がれる古典の中にある種の普遍的哲学(生活の智慧)があるようです。

本と深い仲になることとは
自分以外の誰かを生きる経験なのであると大岡さんは述べます。
まさにその通りですね、自分以外を経験することで他者の理解が進み
他者との関係性がよりスムーズな理解に繋がるのでしょう。

備忘録メモ
告白主義の旗手「島崎藤村が扱った差別 橋のない川、中上健次の出現
 自らのうちに潜む差別を暴かれないためには、まず差別を目に見えるものとして明らかにしなければ
ならない。隠しても、それは死ぬどころか、見えないところでいよいよはびこるだけなのだから。
福沢諭吉はsociety を人間交際と訳した。
明治に出来た新語 社会、個人、近代、美、恋愛、存在
自然、権(利)、自由、彼(彼女は新語)は新しい意味内容を付与
谷崎潤一郎は正真正銘のヘンタイ
預言者としての宮沢賢治
ピノッキオの原作は暗い

こんな目次です
第1講 無垢、友情、そして不屈!
第2講 オレたちゃ海賊、ヨー、ホッ、ホー!
第3講 『坊っちゃん』て、ほんとに痛快か?
第4講 「親」って、ホントに重くて困る
[補講その1] 文豪の妻はツライ…でも…

第5講 「マザコン」の正しい使用法
第6講 自由・平等・友愛
第7講 差別を見据える
第8講 「現国」嫌いには、ワケがある
第9講 「言文一致」は落語から
[補講その2] 説教・圓朝・速記術の三題噺

第10講 日本のミステリーのルーツ=翻案小説
第11講 現世は夢、夜の夢こそまこと
第12講 谷崎潤一郎は、正真正銘のヘンタイです
第13講 スキャンダルの果実
[補講その3] ノーベル賞とヘンタイの関係

第14講 宮沢賢治という宗教
第15講 賢治には、いつもきらきらぴかぴかが舞い降りていた
第16講 「童話」がイジワルになる時
[補講その4] やっぱりデクノボーにはなれない

第17講 「愛国心」の消費期限
第18講 ピノッキオは救世主?
第19講 克己心、連帯、そして不屈!

[補講その5] この世で一番差でサディステックなのは……
第20講 本と深い仲になる、とは結局どういうことか?