350ページに及ぶ大著
これまで雑誌等で発表された源流釣行や沢旅をまとめています。
そして後半部分ではテンカラの達人である瀬畑雄三氏を師に仰ぐ高桑さんの瀬畑評伝的な文章もある。

高桑さんの沢登りは「沢旅」という、まさに人生の過程における旅なのだろう。
そして山、森、自然に生かされていることを常に認識する旅、だから、サバイバルなんていう言葉は
決して使わない、持参できる食料は重くても背負い、餌釣りの時は2号通しで釣れない魚は釣れなくて、
食べられなくても良いと(1号とか0,6号とか細い糸にすれば魚は釣りやすい)。
そしてもちろんテンカラ釣りでも、おかずとして食べる分しか釣らない。

高桑さんの本の良い所は、単に釣り場紹介や釣りのタクティクスではないところだろう、
その土地の歴史や民俗をしっかり書籍や聞き取りで理解して書いていることだろう。
つねに自然と現場を愛する態度が格好良いのである。

ゆっくり、禁漁の時期に、非力な自分では行けない源流を夢想しながら読みます。



源流テンカラ
高桑 信一
山と渓谷社
2016-02-19