中国人エリートは日本人をこう見る 中島恵 日経プレミア 2012
なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? 中島恵 中公新書クラレ 2015
「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? 中島恵  プレジデント社 2015
と読んできたので必然的に本書も。

読みだしてふと思った、ダンビサモヨ女史のDead Aid (邦題 援助じゃアフリカは発展しない)、
彼女は「アフリカが欲するものを中国は持っている、中国が欲するものをアフリカは持っている」と
指摘して欧米型の援助ではアフリカは発展しないと指摘した。
中島さんの本書もある意味、「中国の若者が欲するものを日本の大学は持っている、
日本の大学が欲するものを中国の若者は持っている」と同義かなと。

そして、結論的には中国人の後にはその他のアジア人が控えている。
しかし、経済右肩下がりが想定される日本の魅力を今後もアジアの若者はどう捉えるのか?
中島さんの中国(中国人)の見方は非常に優しく、立ち位置も常に安定して公平に観察しているように
思う。爆買いに続く、「爆留学」「爆就職」から見えてくる中国人の生き方や考え方をしっかり
認識することが今後の日中関係の進展にも繋がるのだろう。単にdisってばかりいても人口10倍の国に
バカにされるだけの未来になるのだから。そろそろ、日本スゴイと嫌韓・嫌中のメディア報道に
騙されない様にしましょう。
中国人を十把一絡げで判断するのではなく、ダイバーシティ(多様性)のある同胞として語るべき
でしょう。当然それは日本人にも欧米人にも当てはまるでしょう。

さて、備忘録メモ
2015年度留学生 21万人(中国94000、ベトナム39000、ネパール16000、韓国15000、台湾7300 )
今は日本が手本 昔は中国が日本の手本
中国人留学生が多い大学 早稲田2300、日本経済1600、東大1200、九大1000、筑波1000、大産900等
同志社 中国読みでゲイが集まる場所
中国人の留学先 1位アメリカ(30万 留学生全体の3分の1)、2位イギリス、3位オーストラリア、カナダ、香港と続き日本はその次
日本旅行の理由 安、近、短 (安全、近い、短期間)、留学は安、安、安 (安心、安全、安い)
東大は北京に事務所 受験可能
日本留学のための予備校ビジネス 一流大学へ合格 大久保(新宿)で学ぶ中国人学生5千人を超える
周恩来 19歳の時に短期で明治大学在籍
高校への留学も増加 一流高校へも 短期留学も
英語での受験も可能な大学も
日本の大学の危機感 今の偏差値の維持(早稲田)人口減少 2018年問題
大学院での学生不足を留学生で賄う
給料格差は縮んできた 2011年の7倍から2.5倍 金より生き方、研修制度、仕事のグローバルさ
中国人の不満 社畜化した社風や慣習