図書館本


岩岡千景 (著)「セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語」 を読んでいたので鳥居さん(仮名)の歌の内容が心にも脳にも突き刺さります。

不条理の中に生きる人間の叫びが少ない文字の中に怨念の様にそして希望の光の様に閉じ込められているのでしょうか。

生きずらい世の中はいつの時代にもあったのでしょう。
しかし、貧しくも幸福という気持ちが持てる世の中で有って欲しいと思う。

1人称の死、2人称の死そして3人称の死を考える時、鳥居さんは全ての人称の死を自身の人生のなかで
あまりに多く受け入れてきてしまったのでしょう。
死に切れない自分、親族の自死、友人の自死、そして第三者の死。


どうか、死のうと思っている方、鳥居に触れてみてください。

歌集より

壊されてから知る、私を抱く母をしずかに家が抱いていたこと

振り向かず前だけを見る参観日一人で生きていくということ

慰めに「勉強など」と人はは言う、その勉強がしたかったのです

友達の破片が線路に落ちていて私とおなじ紺の制服


キリンの子 鳥居歌集
鳥居
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-02-09