図書館本

「若者は本当に右傾化しているのか?」が面白かったので本書も読んでみた。

これまた、古谷氏(1982-)の説得力あるデータに基づく論理展開が面白い。
要するにメディア媒体やネット媒体に関するリテラシーの欠如は、ある意味、昔から変わらないのだろうということかな。本書ではそれを「願望」という文脈から分かりやすく説明する。〜であった欲しいという願望がある意味、宗教にも似た信じたい人間の弱さに付けこんで世論形成あるいは洗脳していくのかも。
ただ、福島原発震災に関しては、低線量被爆や内部被爆に関して、まだデータが不十分であり「健康被害があってほしい」という願望という見方には無理があるだろう。

例えば目次から、こんな願望。
序 章 爐笋泙靴記瓩汎欝錣垢覺衙
第一章 「二つの吉田」誤報事件と朝日新聞の「願望」
第二章 福島が危険であって欲しい、という願望
第三章 安倍首相が「危険な政治家」であって欲しい、という願望
第四章 「若者の右傾化」というウソ
第五章 「若者の草食化」「若者の○○離れ」というウソ
第六章 「クールジャパンで文化外交」という願望
第七章 「中国は滅亡する」という願望
終 章 願望よりも意志を持て


備忘録メモ
思い込みというゴマカシ 「朝日新聞」の誤報事件
東条英機 総力戦研究所の日本必負に対する日本は負けないという願望
非科学から差別が生まれる エイズ ハンセン病 オウム事件における科学とオカルト
安倍政権とナチ党との違い 安倍政権は議員数で過半数を超える 
第2次‐3次安倍政権 日本型「共和党」若者、弱者に対する保護・共催政策がとりわけ弱い
再度、若者の右傾化のウソ 共産党の若者支持という印象操作 ネット右翼平均年齢38.15才
みずからの権威のアクセサリーとして左右の中高年が「願望」によって若者を利用し続ける限り、この国の左右陣営がこれ以上伸長することは難しい、と思う。
草食系男子のウソ(発案の深澤真紀氏の定義と違う ネガティブな意味をもたない)
若者の〇〇離れというウソ 主体的に離れた訳でなく、家や車から離れざるを得なかったのだ。
中国は滅亡するという願望 中国崩壊してほしい願望 北京オリンピックの終了後に中国経済は崩壊すると予測して騒いでいた人々は今どう考える?

願望を排し、科学的な知見の中から真実を導かなければ、今後、われわれは繰り返し、未来にあっても過ちを犯し続けることになるだろう。願望は、現実と理想が違うという事実を当人が薄々自覚し、その前提の上で現実を否定したいという、当人の「欲望」から発生するものであり、それ自体はなんら恥ずかしいことでも忌避するべきことでもない。





目次 amazonより
まえがき

序 章 爐笋泙靴記瓩汎欝錣垢覺衙
自民党惨敗予測/議席予測は願望の産物/過大評価された「ネット右翼」……

第一章 「二つの吉田」誤報事件と朝日新聞の「願望」
朝日新聞の失敗/スクープへの懐疑/構造的問題……

第二章 福島が危険であって欲しい、という願望
攻殻機動隊の世界/当初は楽観論も多かった/『美味しんぼ』騒動
オウム真理教とオカルト……

第三章 安倍首相が「危険な政治家」であって欲しい、という願望
平和の破壊者は安倍首相?/ヘイトスピーチに異を唱えた首相
ナチは選挙で過半数を得ていない/安倍首相の本心を読む人たち
「本心」なんてわからない/「カプリコン・1」の世界……

第四章 「若者の右傾化」というウソ
「ぷちナショナリズム」という誤解/ネット右翼は街にいなかった
右派の勘違い/そもそもネットは若者のものではない……

第五章 「若者の草食化」「若者の○○離れ」というウソ
若者はいつでも性欲旺盛/少子化は性欲と無関係
性欲のせいにするな/若者はクルマが好き……

第六章 「クールジャパンで文化外交」という願望
クールジャパンに盛り上がる政権/誤解だらけのソフト・パワー
改竄されたソフト・パワー論/反日暴動の教訓……

第七章 「中国は滅亡する」という願望
大気汚染は崩壊の原因にならない/元寇と中国崩壊論
中国海軍の台頭/現実的脅威として中国を捉えよ……

終 章 願望よりも意志を持て
詐欺被害者の心理/未来のための勇気を