図書館本

シリーズここで生きる、岩波書店の10冊のうちの一冊のようです。
残念ながら他の著書は読んでいません。

内山さんのブレない「生きる」「いのち」「場所」「共同体」等々の哲学(生活の知恵)を東西の哲学者や上野村に生きる人を引用して綴っています。

生老病死が直線ではなく循環する時間の中で共同体としての風土に中にあることを示しているのでしょう。

備忘録メモ

現代はいのちを固有のもの個体性にもとづくものとして社会が成立、そのために、いのちの孤独を生みだし、生の不安と死の恐怖を蔓延させることになった。

個人の時代の人間の精神 他者に思いを寄せ、他者のために行動する自己が好き。「いのち」もまた自己愛の対象になる。
共同体が生の意味、死の意味を教えるという役割
和辻哲郎と三澤勝衛の「風土」の違い 和辻の師であるハイデッガーはナチスの党員になった。
祀るべき霊、家の単位を超えて、村のご先祖様
生と死の親しい関係 柳田國雄(先祖の話)
共同体の死生観 永遠性に対する信頼
いのちの存在と生きることの分裂 生と死を包み込む風土を失ったとき、人間は苦悩を背負う
一番小さい共同体は家族
多様な生き物が暮らす世界のなかで、自分たちには特別な地位があると考えたときから、人間はふたつの理由で「いのち」のありかを見失った。
 「いのち」の格差 高級と低級 人間と動物、人間の中(人種、民族)
  自己の位置の絶対視 自分の「いのち」
「いのち」の居場所としてのローカルな世界