図書館本 買うかどうか悩む


ソ連システムの崩壊を25歳の時に予言し(乳児死亡率の増加)、さらにアラブ圏の革命を予見しアメリカの衰退(崩壊)をも示唆しているトッド。
何冊か著作は読んでいる、その著作に関するインタビューや東北震災後の東北被災地への訪問 2015年1月のシャルリー・エブドへのテロに関する発言等をまとめている。トッドの生き様や考え方が綴られている。
「家族システムの起源」「不均衡という病」「最後の転落」「アラブ革命はなぜ起きたか」「文明の接近」「シャルリーとはだれか?」に関するインタビュー等。

日本の読者へ
第一の次元:「進歩」という普遍的な次元。教育の漸進と人口動態の移行・転換という変数によって顕示される。識字化を通しての進歩
第二の次元:近代化の軌道として、異なる文化、風俗慣習システムが伝統的な農民文化の消滅に抗して生き残っている 家族システムの多様性

私と日本人が理解していることを、世界の諸国民の大部分は理解しない。
西洋的価値観を普遍的価値観として尊重せよと要求する、これがあらゆる対立・衝突を、激化させる。
中国の経済的テイクオフを決定したのは中国共産党の人たちではなく、西側多国籍企業の経営者たちという点
中国の家族構造は、共同体家族で父と子の間の権威主義的関係と、兄弟間の平等主義的関係 から構成され、共産主義という近代的イデオロギーと親和的。日本やドイツの直系家族は、権威と不平等を基本的価値観とし、階層序列的心性に親和性をもっている。

備忘録メモ
出生率指数からしてフランスの方が将来性がある(日本、ドイツと比して)
エリート養成において、エリート教育の中に経済しかないというのでは、もう立ち行かない。
ヨーロッパ経済活動のゾンビ・コンセプト 1.自由貿易 2.ユーロ どちらかを厄介払いする必要性 ユーロを諦めるのが妥当 貨幣の神話化
東北の特異性(日本北東部の家族の特異性) 東北の人間の精神に同化しないとインタビュー出来ないとの指摘
青森ねぶた祭り:行列の中心に大企業(東北電力、日本原燃)、関連企業、同様に東芝、パナソニック、富士通、JALが行列 企業グループ間の序列、組織内序列 (社会的、文化的要素)
東北の家族 男性長子相続 家族の拡大が横方向(兄弟間の関係が重要) 兄弟間の序列化
日本のアメリカ依存:小児的態度で原子力の平和利用として原発建設 小児性態度こそ検討されるべき
フランスのイスラム対応 1.対決 2.折り合い 対決の失敗確立は100%
家族システム、心性史、政治、経済、社会史の解読から世界を分析
ヨーロッパに分布する4つの家族システム 1.平等主義核家族 2.直系家族 3.絶対核家族 4.共同体家族
ソ連崩壊、日本の太平洋戦争 いかなるシステムとして作動し続け、いかなる原因で機能不全に陥り、ついに倒壊するに至ったか、これは人類が己に突き付けなければならない反省のはず。しかし、どうもこの反省は、少なくとも日本においてはほとんどされずに済んでしまったのではかなろうか。

トッド 自身を語る
エマニュエル・トッド
藤原書店
2015-11-20