図書館本 絶対お勧め!

前著「ぼくは猟師になった」が非常に素晴らしかったので本書も読んでみた。
千松さん(1974-)の生き様が透けて見えてくる文章が綴られています。
自然に生かされている人間、殺して食うことに対する真摯な態度。
猟をすることに対する膨大な知識と情報に裏付けられた行動。
単なるスポーツや娯楽としての猟とは根源的に異なる態度が印象的です。
狩猟サバイバル、サバイバル登山などと言って売文している輩とは根本的に異なる魂と哲学を
身につけているのが千松氏だろう。願わくは、すべての猟をする人たちに読んでいただきたい一冊である。
また氏が読み込んだ資料や情報が脚注として記載されていて有用だろう。
狩猟を始めた動機:自分が食べる肉を自分で調達するこ。そして、自らその命を奪うという責任を負うことで、
自分が食べる動物たちとの距離を縮めたい。

備忘録メモ
森林内の昆虫が八分の一に減少(京大 芦生研究林)
国の林業政策がシカを増やし、そのシカが現在、林業の脅威となっている。
シカを悪者に仕立てあげた現代
駆除の大号令 有害鳥獣捕獲で報奨金 ほとんどが廃棄物として焼却・埋設処分
狩猟と有害駆除の境界がより曖昧になりつつある
シカを目当てに人里にクマが下りてきている可能性あり
「獣害」はあるが「害獣」はいない
オオカミを絶滅させた僕たちは、その責任をとる意味でもしっかり猟をする必要がある
ミツバチ(二ホンミツバチ)が豊かに暮らすには、多種多様な「雑木」な林が必要
猟師の知っている山や動物の生態はある一面でしかない
本当に自然を破壊するのは、森とのかかわりもないままに自然保護だの管理だという人達
シカの肉、内臓をクマはふつうに食べる
スズメの減少
野生動物の食文化 種々な鳥、獣の肉
動物を殺すことの意味
食文化や歴史により異なる残酷さ、命の重み
「魚は痛覚がないから殺せるけど、鳥や獣は鳴き叫んで痛がる」といって狩猟と釣りを区別する人もいる。(魚に痛覚があることは科学的に証明されています)
狩猟採集生活と汚染問題 放射能 河川汚染 チェルノブイリ原発と周辺野生動物
クマを守れ 都市在住者
クマより猟師が絶滅危惧種
女性だけの狩猟組織も
狩猟は生活の一部、山菜、果実、キノコ、川魚、薪 山は便利なスーパーマーケット
狩猟は決して獣害対策の特効薬ではない
猟師と買う側の論理 安ければ良い?
海外の自然を破壊することで(農産物、木材等々)日本の森は存在出来ていると言っても良い