南アルプス完熟農園:営業停止 負債総額7億4000万円 開業7カ月、従業員全員解雇へ /山梨 - 毎日新聞


地方ミニコミ誌より詳しいのかな。

コンサルタントさんのコメントないですね??

以下記事

 昨年6月に開業した南アルプス市の観光農園「完熟農園」(同市寺部)を運営する株式会社「南アルプスプロデュース」が24日を最後に営業を停止したことが分かった。農園はオープン当初から売り上げが低迷し、資金難に陥っていた。同社によると、負債総額は約7億4000万円。経営は開業から7カ月で破綻し、市は近く債権者として甲府地裁に対して破産手続き開始を申し立てる。【藤渕志保】

 完熟農園は、農産物を加工、販売し、レストランなどを併設した市の「6次産業」の拠点となる施設だった。市は前市長時代、同社に出資し、開業前に5億円を貸し付けた。

 しかし、主力商品となるはずだった果物などの不作に伴い品薄状態が続き、開業当初から赤字が続いていた。このため、市は昨年10月に5000万円の緊急融資を実施。しかし、農園は増収に転じないまま、資金繰りが急速に悪化していた。

 市は経営状態を調べるための外部監査を実施。利益率の低さや人件費の高さが指摘された。市は昨年12月に当時の社長を交代させた上で、経営の立て直しを図っていた。

 同社によると、24日夜に取締役会を開き、全会一致で営業停止を決めた。24日が従業員の給料の締め日だったものの支払いの見通しがたたず、「今後の営業を続けていく算段がなかった」という。

 高野晃史社長は「このような事態になり、大変残念。従業員や生産者には迷惑をかけて申し訳ない。なんとか浮上させたかったが思うような対策ができなかった」と話した。パート、正社員を含む47人の従業員は全員解雇される。会社は今後、裁判所が選任した破産管財人による破産手続きに移る。

 25日朝には店舗に「南アルプスプロデュースは、平成28年1月24日を最後に、営業を停止しました」と書かれた張り紙がされ、出入り口が封鎖された。

 横浜市から同市を観光で訪れた2人組の50代の女性は「せっかく来たのに閉まっていて残念。事前に告知をするか、せめてホームページで知らせてくれればよかったのに」と話した。野菜を出荷していた女性は24日、品物を引き取りに訪れた。「市が出資していたから大丈夫だと思ったのに、あまりにいいかげん」と憤った。

 出資者の男性(71)は「経営難は心配だったが、市内観光の拠点として整備が進む途中でこれからという時だったので残念。焦った判断ではないか」と話した。マルシェでかばんなど小物を売っていた女性(62)は「最初からつぶすつもりで社長を交代させたのではないかと思うと腹が立つ。悔しい」と声を落とした。
市が最終責任負う 市長

 金丸一元市長は25日夕、記者会見を開き「債権者、取引先、市民に多大な迷惑をかけ、市としてもおわびする」と謝罪。「事業を開始し、筆頭株主の市が最終責任を負わなければならない」とした。

 営業停止の経緯については「借入金や従業員の給料を支払う資金がなく、黒字化の見通しもたっていない。最初からビジネスモデルが破綻していた」などと述べた。今後は「会社は閉じてリセットする。しかし(農業の)6次産業化の拠点として再開発するため、建物は残して活用したい」と話した。
南アルプス市の完熟農園を巡る経緯◇

2013年 4月    事業が国の地域活性化総合特区に認定される

      7月1日  市が出資する運営会社「南アルプスプロデュース」設立

     12月    市議会が運営会社に5億円を貸し付ける条例案を可決

2014年12月    農園施設の建設に着手

2015年 4月26日 金丸一元氏が市長選で当選

      6月12日 営業を開始

      9月    資金繰り悪化を市に報告

     10月    市が5000万円を追加融資

     11月    資金難解消のため運営会社が増資を呼びかける

     12月25日 臨時株主総会で、桜本一幸社長が解任。新社長に高野晃史副市長が就任

2016年 1月25日 営業を停止