図書館本

世界に恥さらしの東京オリンピック問題ですね。無責任天国ニッポンなのでしょう。

ロゴマーク、競技場建設白紙、広告代理店とボランティア問題等々。
上杉さんが以前からスポーツ関連の取材をしていたとは本書で初めて知りました
(ゴルフ通なのは知ってましたが)。
証言者(インタビュー)のテキストを加えてよりリアルに新国立問題を綴っています。


読み終えて、特定の人間、政治家、ゼネコンそしてアカデミック等々の利権に関しては多くの方が
納得するところだろう。
税金という国費をつぎ込んで行われる巨大公共事業を好き放題に出来るヒトって素敵ですよね?(笑)

ちょっと気になったのは本書では国交省の話が出てこない、デザインやり直しでも指摘されたゼネコンや
JVには必ず国交省が絡んでいますよね、現に土木学会は原子力学会と同様に構成員や幹部に
ゼネコン幹部、大学教員、国交省官僚、天下り団体スタッフが選出されていますよね。

さて、備忘録的メモ

建築家VS建築家のいざこざ 東大閥X石原都知事・安藤忠雄の蜜月 (海の森公園構想)
不透明なコンペの存在 逆に建設終了後まで審査委員団を解散しないで責任を持った例(長野 田中県政
稲荷山養護学校公募型プロポーザル)
設計者を選ぶのでなく設計監修者を選ぶ 責任の所在が曖昧 設計を簡単に変更できる
東大建築学科出身者排除?コンペ 一次段階で排除か?
3つの利権 
 1.ラクビー利権(スポーツ界のドン森氏) 
 2.JSC利権 文科省
 3.東京都利権 (森の画策と猪瀬の失脚) 組織委員長人選に絡む闇
設計業務は入札でなく随意契約 フレームワーク設計業務の落札率が99.09%
JSCの無能さもあるが、6回に及んだ有識者会議とはなんだったのか? 議事録公開でも黒塗り
踏みにじられた「アスリート・ファースト」 競技者のためのオリンピックではない
税金を使わないオリンピック開催(1984年ロスアンゼルス)
オリンピック招致決定後はインフラ整備や経済効果の話題ばかり

目次
第1章 迷走の序曲~すべてはスキー場から始まった―証言者/團紀彦氏(建築家)
第2章 1つ目の利権~ラグビー利権―証言者/松沢成文参議院議員
第3章 2つ目の利権~JSC利権―証言者/玉木雄一郎衆議院議員
第4章 3つの目の利権~東京都利権―証言者/猪瀬直樹氏(作家)
第5章 不可解なデザインコンペ―証言者/團紀彦氏(建築家)、笠浩史衆議員議員
第6章 新国立競技場問題、悪いのは誰だ!―証言者/有森裕子氏(五輪メダリスト)、玉木正之氏(スポーツ評論家)、下村博文文部科学大臣