図書館本
前著の「絶望の裁判所」への参照が多かったのでそちらは購入。

一言で書けば、暗澹たる気分。司法という独立した常民の味方と思っていたのが、実は権力によるヒエラルキーとして成り立つ組織であること。
まあ、もちろん正義として司法をつかさどる検察官や官僚もいるのだろうけど。。。。

備忘録メモ
三審制は本当に国民、市民のためか?
最高裁判決のレトリック 韜晦(とうかい)型(ごまかし型)と切り捨て御免型
刑事系裁判官の多数派は検察寄り
刑事司法の改善:取り調べの全面可視化、取り調べに対する弁護人の立会権の保証、代用監獄の廃止、拘留必要性の厳格審査、証拠開示のさらなる充実、無罪判決に対する検察の上訴権廃止等
2013年5月ジュネーブ国連拷問禁止委員会での日本の人権人道担当大使の非礼(動画等あり)この大使はその後退任したようだ。
裁判をコントロールする最高裁判所事務総局
メディア敗訴率の上昇
丸写し判決の存在
司法の機能を完全に放棄し、原告らと国民を愚弄する「初めに結論ありき」原発裁判、水害裁判 また長期間にわたる裁判で実質的な判断回避、放棄
権力寄りの行政訴訟 まともな審理を行う裁判官は10人に1人
行政訴訟の勝訴率 8.4%(2012年度)
 処分性、原告適格、訴えの利益 どれかに引っかかれば原告の訴えを却下
桃栗3年、柿8年、住民訴訟10年 絶対採算が取れない社会奉仕の学者、弁護士
裁判官が役人根性を発揮して勝訴判決を出し渋る例も多い
権力の番人、擁護者、保護者、忠犬としての裁判官 憲法の番人でも法と正義の番人でもない
政府国粋的保守派の方向に両目が激しく引っ張られた政治的判決、ヒラメ判決
スラップ(SLAPP)訴訟という反対者に対する威圧、恫喝的意図をもった民事訴訟
 JRの認知症老人の家族に対する損害賠償請求
和解のテクニックは騙しと脅しのテクニック?
 アメリカの手続きの透明性 日本の不透明性 対話和解は無理?
裁判所・裁判官制度の根本的改革は事務総局人事局の解体、キャリアシステムの法曹一元化司法が変われば社会が変わる
日本のマスメディアは市民の知る権利に奉仕し、その代理人になって司法を厳しく監視、批判し続けるという役割を半ば放棄
司法報道に携わる記者たちの資質と心構えの問題 烏賀陽弘道「報道の脳死」
最高裁判所という「黒い巨塔」の背後に広がる深い闇




絶望の裁判所 (講談社現代新書)
瀬木 比呂志
講談社
2014-02-19