図書館本

高杉さん(1939-)の中山素平さん(1906-2005、興銀)の評伝小説でしょうか。

戦後の高度経済成長を大きく支え、作り上げた一人。
NTT民営化、国鉄民営化という大仕事にも官僚、政治家と経済人との係りのなかで行われた事が良く分かる。
そしてやはり最も重要な点は人脈、独断に走らず、調整調和の中で人を説得する。
晩年は国際大学(初代理事長)に力を注ぎ日本と海外との大きなかけ橋ともなったようだ。

小説として読むから面白いのだが、登場人物はほぼ男性(逗子と東京の奥さまは登場するが)であり
銀行内での権力闘争やら男達の間の嫉妬や妬みが渦巻いていることがわかる。
また、ご家族等の事は綴られていない。

そして、頭取、会長、相談役、特別顧問などの肩書きの多さに驚いた。

右肩上がりが期待出来ない少子超高齢化人口減少日本で果たして銀行というシステムがどうなっていくのだろうか。