図書館本

技術者あるいは科学者としての社会的責任を全く果たさない原子力ムラのムラ人達。
経済という貨幣多寡が安全に勝ると考えている。
1995年の阪神・淡路大震災の教訓はまったく生かされていなかった福島第一なのである。

そして、情報公開を避け、いかに情報やデータを国民やムラ人以外の専門家から遠ざけるかを画策する。
筆者(1964-)は早くから原発関連の取材をしていたが、深部に迫れなかったと自戒し、自身で、そして国会事故調の協力員として過去の資料を掘り起こし、情報公開させ(されないものも多い)、インタビューを通じて原発事故が起こるべくして起こったこと(人災)であると指摘する。

安全神話、原発必要神話を作りだした原発ムラが、いかにメディア(原発広告主の言われるがままに)や御用学者を利用してきたかも理解出来る。
そして、責任回避を必死に行う関係者達。
誰も起訴されない現実、天下り。

さらに土木学会までも利用し、あるいは共同犯として地震や津波対策をないがしろにしてきたかも分かる。

備忘録メモ
東電、電事連、保安院などによる「密室の合議」の連鎖で原発の津波脆弱性警告は葬られた
地震調査研究推進本部(地震本部)が2002年に福島沿岸に大津波の可能性公表
電事連が土木学会を利用して想定を低く抑えた津波基準つくりをすすめてきた
土木学会での評価費用は電事連
7省庁手引き(1997年)の方法だと福島での津波は13.6m想定
日本学士院賞受賞の首藤氏 (経済のために止む得ないとのリスクを福島に押し付けた)
震度6の想定をしていなかった神戸、その結果が被害拡大 6想定を主張した専門家は居た
中央防災会議の長期評価つぶし 島崎氏の反対を押し切る
東電 地震の専門家と面談 帰り際に技術指導料(謝礼) 教授クラス 5-8万円
土木学会 04年の専門家5人に対する津波地震のアンケート 未だ公表せず
東北電力は津波堆積物の調査を以前よりしていた。東電は09年から
数百万円程度の予備バッテリー用意でF1事故は軽減出来た可能性
エネ庁、保安院、そして大成建設常務 本部氏 後任の平野氏 現在中国電力常務
F1所長の吉田氏自身も津波想定を潰した
福島県 M8津波を想定したが動かず(1997年野村総研提出)
地震本部委員長「津波地震、無視するのも一つ」 2008年12月頃 東電が専門家に相談
耐震指針検討部会(2006年8月28日)石橋克彦教授の辞任
各事故調の限界 まだまだ調べなければいけないことがある 7省庁手引きがなぜ骨抜きされたか等
情報提出をしぶる原子力規制委員会 溢水勉強会資料等
議事録不記載
東海第二原発も茨城県の予測に備えなければメルトダウンの可能性が高かった