図書館本

野口さんの熱い想いが伝わってくる。
彼の本は何冊が読んでいるので生き様はそれなりに分かっていて、筋を通す人だと思う。
遺骨収集、エベレスト清掃。
山や自然をこよなく愛する野口さんが、本書を書かねばならなかった事を考えると、山梨出身者として
自分の無力さを恥じなければいけない。それほど現在の富士山、そしてその周辺は酷い状況なのだ。

自然遺産がダメなら文化遺産だという流れ。蠢く利権、広告代理店の暗躍等々。
読み進めれば進むほど、怒りがこみ上げてくる。

誰のための世界遺産なのか?
なんのために世界遺産にするか?

備忘録的メモ

2013年6月22日 正式登録 ただし条件付き(2016年2月1日までに条件をクリア―しないといけない)
クリアー出来ないと危機遺産あるいは登録取り消し
富士山を「消費」するだけでなく、世界が称賛する宝物を大切に後世に残さなければいけない。
これまで登ったどの山より汚かった。(白い川:汚物とトイレットペーパー)
河口湖周辺のゴミ(ブラックスバス釣り人)、湖畔の最悪な景観(広告、駐車場、ラブホの広告等々)
富士山のゴミ(組織的な産廃、タイヤ等々)
弾丸登山、劣悪な山小屋
保全状況報告書提出義務
1.文化的景観の手法を反映した資産の総合的な構想
2.来訪者戦略
3.登山道の保全手法
4.情報提供戦略
5.危機管理戦略の策定に関する進展状況
6.管理計画の全体的な改定の進展状況
少しでも早く開山したい山梨県(富士山で稼ぎたい山梨)
山頂トイレ一基あたり年間5000万円の維持費(任意入山料2013年3400万円)
8合目から富士山頂は富士山本宮浅間大社の所有 
連携しない行政、地元、NPO等々
山小屋利権(政治的動き)
NPO富士山を世界遺産にする国民会議(会長中曽根康弘、理事長 電通会長 故成田豊)2005年
外交交渉で決まる文化遺産(政治的要素の反映)
イコモスやIUCNの勧告に反する登録多数(政治案件)
登録抹消 ドレスデン(橋の建設により)
登録取り消しは世界遺産の権威を逆にアピールするための好材料(文化遺産が政治的に決まるので)
富士山と鎌倉とのバーターとのうわさ
行政の詭弁(規制はこれ以上ないと説明、山梨県)、地元観光業関連者からの反発、話が違う。
広告代理店、毎日新聞社の動き(10年新聞社とやってきた清掃キャンペーンから決別)
富士山クラブで続出した不協和音
世界遺産登録デメリットを報じないメディア
イベントのためのイベント(電通) カネになる富士山
良い例としてのトップの関与 熊野古道(北川知事)、小笠原(石原知事) レンジャー制度
人が来る事が目的ではなく、残す事が目的
富士山単独からイコモス勧告でーー信仰の対象と芸術の源泉に変更
小笠原の遺産主役はカタツムリ(外来種駆除により多様性の維持、カタツムリ保護)
自然を守るための世界遺産BY石原知事
国立公園制度の問題点(アメリカ方式がとれない日本)
入山規制等が出来ない日本(屋久島)
入山料の必要性 7万ドルを払いエベレストの清掃
登山鉄道の必要性(スバルラインを使って)富士急行
ご来光は本来頂上から拝むものではない
スローな旅としての富士講 精進落としの意味(女子禁制の訳、遊郭で登山の後に遊ぶ)
自分の管轄以外タッチしたくない行政(仕事が増えるのは嫌)