多くの方に読んで見て欲しい超お薦めな一冊

そして、既著(犬と鬼、美しき日本の残像)も読んでいただくと日本の異常でおかしな公共事業等がご理解頂けることでしょう。
ちなみに土木学会の中には景観の部門もあるようですが、、、、

アレックスさんの主張は、公共事業を止めろではなく、税金の使い方を良く考えろと言う事でしょう。

石破さんが地方創生担当大臣で迎える2014年12月の衆議院選挙、国土強靭化と言う名のインフラ公共工事の是非も焦点になって欲しいものです。

備忘録的メモ
神話1
電線を埋設する工事費が高いため、特殊な地域以外は財政的に無理
神話2
日本は地震国なので、電線埋設できない
神話3
看板が多ければ多いほど、経済効果が上がる
神話4
看板で細かく指導しないと、お客さんは戸惑ってしまう 看板「一つでは足りない」
 京都、奈良でのHITACHIの赤文字シンボルマーク表記

沈黙の中で土木工事が進んでいく
環境の調和こそが先端技術のドイツ、日本は逆行。
老朽化ダムの撤去、必要のない道路建設中止、護岸工事は最低限に抑える。そうい発想は無い。
歴史の継承は時代遅れ、埋め立て、架橋こそが最先端!
日本と先進国の建設事情、土木建設予算(犬と鬼)国家予算に占める割合 アメリカ8%、ヨーロッパ6−7%、日本、40−50% 土木建設雇用アメリカ1%、日本12−14%、日本のコンクリート使用量アメリカの33倍
式年遷宮ですらプレハブ鉄筋ハウスの仮設を使用
ブルーシートと対の田園風景 ブルーシートのある光景(対エコシート(自然色シート)
仁義がないから仁義を言う、癒しがないから癒しを言う (自分達が卓越している思い込み)
古都の心臓に打たれた杭(京都タワー1964年) 京都駅の悲劇
歴史の否定、古さに対する憎悪、不適切なゾーニング
混沌こそアジアという自己嫌悪の思い込み
21世紀の基盤産業は観光業
大型観光バスに頼る時代遅れの「観光テクノロジー」
公共事業としての古民家再生 祖谷のちいおり(篪庵)
公共事業の中身を考える



目次
序章
第1章
細かな規則と正反対の眺めーー電線、鉄塔、携帯基地局
第2章
町をきれいにしようーー看板と広告
第3章
コンクリートの前衛芸術ーー土木
第4章
人をビックリさせるものを作る力ーー建築、モニュメント
第5章
ピカピカの「工場思想」ーー工業モード
第6章
人生は「ふれあい」−−スローガン
第7章
古いものは恥ずかしいーー町へのプライド
第8章
国土の大掃除ーー観光テクノロジー
終章
日本人が掌に持っている宝

景観論1景観2




ニッポン景観論 (集英社新書)
アレックス・カー
集英社
2014-09-17

美しき日本の残像 (朝日文庫)
アレックス・カー
朝日新聞出版
2000-09-14

犬と鬼-知られざる日本の肖像-
アレックス・カー
講談社
2002-04-25