図書館本

STAP細胞論文からも見えて来た研究不正に関しての論考。
著者(1971-)は小保方氏の母校、早稲田(1年間だけ?)、東大理学部、博士課程中退、神戸大学医学部学士入学、病理医との経歴。

本書では書かれていないが、大学によっては博士号を取るのに主査に100万、副査に50万という話が普通に聞かれる。さらに論文の質の問題は今回の早稲田のコピペ問題だけにとどまらないのだろう。
そしてこれは、決して本書がバイオ研究だけの現実として映し出しているものではないであろう。


ご自身が博士論文を諦め医学部に転学し、その後医学部での経験をもとに大学や研究所の研究不正、製薬会社と大学との癒着等に言及している。

備忘録メモ
ピペド(ピペット、ピペットマン奴隷)という大学院生の存在 ピペットマンはバイオの業界では必ず使うマイクロピペット
増えすぎた大学院生とポジションの少なさ
無料の労働力としての大学院生、ブラック研究室とブラック教授
絶対支配者としての教授(就職斡旋、博士号)
科学技術政策の公平性は?政治の圧力は?
論文数:日本は停滞(4位、中国急激な上昇5位)
事業仕分けにおける蓮舫議員の「2位」発言の不理解、巨艦巨砲主義の問題。
カネが歪めるバイオ研究 研究者側も応用的活用を申請しながら実は基礎研究のみの例
研究者同士の「ムラ化」
研究不正:捏造、改ざん、盗用
ギフトオーサーシップ:著者権利をプレゼントされる。今回のSTAP問題
無くならない不正(研究費不正使用、早稲田 松本和子教授、その他)
日本版研究公正局の必要性


目次
第1章 「奴隷」が行うバイオ研究
第2章 ブラック企業化する大学院
第3章 カネが歪めるバイオ研究
第4章 研究不正〜底なしの泥沼
第5章 バイオを取り戻せ