図書館本 

今井さん(1956- 、2009年4月、NHKを依願退職。)の自らが手がけた番組を基に書かれた「赤い追跡者」(2013)が非常に良かったので、本書も読んでみた。

小説の形を取っているが、おそらくノンフィクションとしてのNHK内部の出来事だろう。
プロジェクトX(本書ではチャレンジX、2000-2005)のディレクター、その後エグゼクティブプロデューサーとしての自叙伝であろう。

NHK内部に蠢く権力闘争、男の嫉妬、内部告発と怪文書。巨大メディアにおける問題点が次々に露わになる。
そして政界とNHKの繋がり等々。

男という動物はどうしてここまで肩書や地位、名誉、権力に拘り、嘘をつき不正をしてまで生きようとするのか?
会社という存在は誰のためにあるのか?
公共メディアは誰のために存在するのか?

昨今の政治主導のNHK人事などを報道で見聞すると、まさに本書の中で描写される独裁者とその取り巻き、そして常に次の権力の座を狙う派閥の存在が見え隠れする。

それにしても、もし、本書の中で問題とされた合唱クラブの顧問の教師の言動が本当であるなら、トンデモない虚言癖な人物をプロジェクトXで取り上げた事になりますね。

ガラスの巨塔
今井 彰
幻冬舎
2010-02-25