経済誌ですから経済優先の構成になるのはしょうがないことでしょう。

リニア新幹線構想という取り組みを「革命」と捉える違和感はありますが、革命は時に大きな失敗として歴史を刻む事があります。

経済予測を立てるコンサルタントという職種があります、本書の中で登場するコンサルタント会社はJR東海に融資している銀行系のコンサルタントであり、その経済予測の最後には
「本資料は、信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料は、執筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社の統一的な見解を示すものではありません。本資料に基づくお客様の決定、行為、及びその結果について、当社は一切の責任を負いません。ご利用にあたっては、お客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。」とあります。

逆に[Part3] リニアの死角では現実にすでに起こっているリニアの問題を指摘しています。
橋山氏は自著の中でも指摘しているように、コンコルドの失敗、英仏海峡トンネルの失敗、東京アクアラインの失敗などを詳しく分析してリニアとの類似性を述べています。

リニアの経済予測が当たらない例としては、長銀経営研究所(破綻)の主任研究員の藤澤氏(1954−)の明るい未来の夢の新幹線予測。図説 リニア新幹線 藤澤研二 光文社 1989 などがあります。

目先の金に惑わされて自然破壊をし、経済性も無く他の鉄道網とも接続不能なリニア。さらに新幹線や飛行機と違い、技術の積み重ねがまったくない高速移動手段なリニア。

超少子化超高齢化社会でかつ人口減少社会が確定している日本、かつ経済成長は見込めない中での優先順位は何か真剣に考えるべきではないでしょうか?

ちなみに、リニア新幹線はJR東海の単独事業だとJR東海が平気でウソをついていますが、リニア技術は鉄道総研(税金)、リニア実験線には多額な税金がすでに投入されており、土地買収には沿線の地方公務員がJR東海の社員化して公務として動いています。