副題:巨大プロジェクトの「真実」

筆者の提案:「新幹線方式による中央整備新幹線計画」への全面的変更


前著「必要か、リニア新幹線」岩波書店 2011年のアップデート版と言っても良いだろう。


第1章 リニア計画はなぜ生まれたのか
第2章 なぜリニア中央新幹線をつくるのか
第3章 どのようにつくるのか
第4章 過去の“失敗プロジェクト”に学ぶ
第5章 経済性を検証する
第6章 技術面、環境面から検証する
第7章 リニア計画の“終着駅”
第8章 リニア計画の政策決定の在り方を問う
この目次から導かれる答えを是非、多くの方に考えて欲しいと思う。
そして推進派も凍結(反対)派も同じ一次情報の土俵の上で議論して欲しい。
JR東海の単独事業と言いながら、実はすでに多額の公金(補助金等、山梨県からの貸付)が独法等に注ぎ込まれており。地方公務員等が用地買収のために増員されているとの事実もある。

さて備忘録メモ
審議会の場で伊藤磁早稲田大学特命教授「リニア駅を出ると、そこには緑豊かな大自然と青い空があった。そして、どこにもない素晴らしい国際環境都市がつくられていた」
利用者が知りたいのは、リニア計画が安全で有用・有益なサービスを提供してくれるかどうかである。
試験走行で時速486キロという記録を達成した中国を意識して「時速500キロを達成して世界を先導する」というナショナリズム(覇権国家主義)が含まれているとしたら、いささか恐ろしい。
失敗の原因:経済性が確保されているか。技術的に信頼性があるか。環境を破壊することはないか。
成功=正しい目的x最適の手段 成功の経験則定式化
経済性の壁、技術的信頼性の壁、環境適応性の壁
需要予測 2011年実績 443億人キロから675億人キロ(大阪開業時) 52%増加
走り出したら戻れない、止まらない、止められない、残された道は「やるしかない」という選択:アクアライン、使用済み核燃料再処理施設、高速増殖炉、長良川河口堰、諫早干拓、八ッ場ダム等
2013年9月18日JR東海山田社長のリニアはペイしない発言。(1989年当時の社長の須田氏も東海道新幹線―その足どりとリニアへの展望 大正出版 の中でペイしないと記述している。評者)
政府の交通政策審議会中央新幹線小委員会(委員長:家田仁東大教授、この方八ッ場ダムの委員)では技術の信頼性、安全性の審議は一度も行われず。安全性、信頼性、省エネ性、ネットワーク性等では劣るが、「高速性に優れている」だけの理由でリニア方式が望ましいと答申。
鉄道は経験工学である
在来新幹線の改善・改良を
環境影響評価の在り方を改善すべき
鉄道に未来はあるか(角本良平氏、福井義高氏もリニア懐疑的)
筆者の提案:「新幹線方式による中央整備新幹線計画」への全面的変更



前著の読書メモ
目的と手段が両方とも正しければ必ず成功する
しかし、そのいずれかに欠陥や誤りがあれば、必ず失敗する。
経済性に関する問題点、技術に関する問題点、環境に関する問題点、この3つの視点から分析評価する。
目的は何か? リニア方式を前提として審議する前に同方式の持つ意味、有用性、技術的有意性。現状の新幹線方式との整合性
人口減少(生産年齢人口層の確実な減少)における需要動向をどうみるか
累積赤字が発生した場合の責任の所在(英仏海峡トンネルの例)
事業の途中中止例 成田新幹線、中海干拓、原子力船むつ、石炭液化事業、川辺川ダム
政策評価、行政評価、業績評価の実施、費用便益分析の必要性
事前評価、中間評価(再評価)、事後評価の実施
我が国の成功例:東海道新幹線、名神・東名高速道路、黒部ダム(個人的には?)
失敗例:東京湾横断道路、成田空港、関西3空港(国際、伊丹、神戸)、本四架橋、
海外成功例:都市内路面電車(LRT、ストラスブール、現在富山市も)
海外失敗例:超音速コンコルド
成功への必要条件、政策決定プロセスの透明性、事前評価、再評価の制度化、環境影響評価の事前実施、受益者・利用者・地元の費用負担の制度化、技術信頼性の確保、経営責任の明確化
な ぜ作るのか?JR東海の目的 1.東海道新幹線の輸送能力が限界、輸送能力の増強、2.施設の老朽化、東海地震に対処するたえ、バイパス路線が必要 3. 東京―大阪間の大幅な時間短縮 実際のデータ 東海道新幹線の座席利用率は年々減少、JR東海は突如1の目的を下ろした。(2010年5月開催の政府審議 会)2に関して、既存新幹線技術でなぜいけない? 3.国民のどれほどが短時間化を望んでいる?リニア開業後は新幹線乗客の減少―経営難にならないか?
コスト:東京―大阪間 九兆3千億円(JR東海が負担に耐えられる?)支払い金利負担
既存鉄道とのアクセスが非常に悪い
リニア技術は海外に受け入れられない(ドイツの失敗例)
我が国の高速鉄道ネットワークの一部にだけリニア方式鉄道である理由。(電気の周波数問題や、軌道の幅の地域差等と同じ)
リニア方式は柔軟性が欠けて、応用が利かない(他の分野への応用ができない)
建設単価 1kmあたい156億(整備新幹線の2倍)
中国で川崎重工業製の鉄道車両の実験走行で時速486kmを記録している。(リニアは500kmでの運行を予定)
電磁波の問題