【報告】神奈川県と川崎市のリニア新幹線公聴会|脱原発の日のブログ

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以下ブログより転載
神奈川県と川崎市のリニア新幹線公聴会の報告を行います。

神奈川県主催の公聴会は、1月12日に川崎で、1月13日相模原で行われました。

相模原は中間駅建設、車両基地建設と大きな問題を抱えています。
相模原での公述人は15人。車両基地建設で約50人の移転が取り沙汰されています。温かい日本の原風景のような里山が崩されます。その鳥屋地区は50人のうち48人が移転を迫られています。鳥屋地区の住民が、地図を示して、コミュニティ崩壊の危機を訴えました。

相模原の公述では、駅前の相原高校移転反対、地下水枯渇(座間市は水道の水源の85%を地下水に頼っており、駅建設で多くの影響があると思われるのに説明会すら行われていない)の問題などが出されました。

川崎で行われた県の公聴会は10人が公述。リニア新幹線の必要性、危険性、採算性など、全般にわたって問題提起をしました。私は南アルプスルートをとる問題性について、ー然破壊は許されない、活断層、破砕帯、地殻変動なの危険が多い(JR東海は浮上コイル1個外した実験をしただけでそれ以上の実験はやっていないことを強調)、4超影響評価は計画そのものを住民が見直すもので、アメリカでは計画決定前に対案をつけて審議される、を公述しました。参考までに、添付しておきます。


川崎市主催の公聴会は、1月18日と19日、2回にわたって行われました。川崎市の条例で、事業者が答弁しなけれならないことになっており、JR東海—公述人ーJR東海ー公述人ーJR東海ー公述人と3回のやり取りを行いました。
私は、発生土を運搬する車両が1時間に84台走行するというので、大気汚染の問題を取り上げ、基準値0.06ppm以上なら警報を出し、工事と車両走行を止めろと攻め寄りました。また、JR東海は、駅建設の用地交渉は県にまかせると見解書に書いていましたので、税金をかすめとることになると怒りの声をあげました。

・・・・・・・・・・公述意見書・・・・・・・・

 私は、リニア中央新幹線の建設に大きな疑問をもっています。その最大の理由は、南アルプスルートが選定されたことです。

理由1、南アルプスの自然破壊は許されない。
北岳、甲斐駒岳など3000m級の山が連なる南アルプスは、人為的な手を加えることを極力排し原生の自然を維持してきました。その山脈に23劼離肇鵐優襪伴亶を掘る。何台もの大型運搬車両が建設機械や資材を運びます。その道をつくるだけで自然破壊です。24時間掘削作業を行い、1日1700台ものダンプカーが発生土を運搬する。自然破壊、生態系への影響は必至です。1度自然を破壊すれば、取り返すことはできないのです。
発生土置き場は大半が明らかにされていませんが、静岡県域で明らかにされた白根南嶺付近の置き場は標高2000m近い稜線上にあります。南アルプスと同じ地質帯の紀伊半島では、2年前の台風で大規模な深層崩壊が発生しました。南アルプスは全域が南海トラフ地震で震度6と予想されています。大雨や大規模地震が起きた場合、安易に置かれた発生土が山崩れという大規模崩壊―更なる自然破壊―を起すことは充分考えられます。
説明会で私が「なぜ南アルプスルートを選んだのか」と質問したとき、JR東海は「他のルートも検討したが、南アルプスが最短だったから。自然破壊はどちらも同じだ」と答えました。南アルプスの自然の価値に無知なのです。
日本自然保護協会の理事長・亀山章氏は「大規模な山塊で、一般車両が通行できる道路・鉄道・トンネルが全く存在しない場所は、本州では南アルプス以外にない。日本の生物多様性を支えるまさに屋台骨であり、後世に引き継ぐべき財産」として、事業の凍結、位置選定を含めた手続きのやり直しを求めています。

理由2、活断層・破砕帯・地殻変動と南アルプスは危険が多い。

南アルプスは全域が南海トラフ巨大地震の被害予想地域です。また、糸魚川―静岡構造線、中央構造線など第1級の活断層がある地震多発エリアでもあります。
JR東海は「地下トンネルは揺れに強い」「側壁パネルにある浮上案内コイルが車両を中央に位置づける」から安全と説明しています。しかし、地下の構造物は一定程度安全とされていますが、直下型や断層型地震に安全であることは実証されていません。
事故に対する検証についてJR東海は口にしたことがなく、私が調べたところ「山梨実験線で浮上コイル1個取り外して走行したが無事であった」という本の記述があったのみです。上下数m動くこともある断層のズレがこの程度の被害であるとはとうてい思えません。ガイドウェイのねじれ、変形、切断などがあれば、大惨事を起こすことは充分「想定されます」。
見解書でJR東海は、地震などの緊急時に時速500劼ら停止するまでの時間は、新幹線と同じ90秒だと何度も強調し安全だと言っていますが、距離は何と6劼△襪里任后その間に切断された側壁に激突しない保障はあるのでしょうか。
私が説明会で「これ以上の実験はやったのか」と尋ねたところ、「今後やっていきます」と答えました。意見書も出しましたが、見解書には何ら記述はありません。浮上コイル1個はずした実験で安全だと全国で説明会を開くのは無責任です。
待ち構えているのは活断層だけではありません。南アルプスはフィリピン海プレートが潜り込むことで1年に4〜6侘患しています。また、南アルプス中央構造線は、日本最大の断層線谷で、複数の複雑な地質構造線が並走しています。構造線とは異なる地質帯が接している断層で、多くの場合、断層破砕帯崩壊の原因となります。現に山頂にあった三角錐が谷に落下し、登山道が年々崩れています。
この地質構造は1500万年前日本列島がアジア大陸から離れたときこの場で日本列島がちぎれたことに由来しています。そのとき東北日本は反時計回り、西南日本は時計回りに回転し、折れ曲がった部分が引っ張られて落ち込み海になりました。その後次第に隆起し、フォッサマグナ(ラテン語で大きな溝)を形成し、日本で1番激しい地殻変動地帯となったのです。
このように形成された南アルプスは地すべり・崩壊による災害が多数発生。分水界が複雑に入り組み、突発的な出水事故が発生します。また膨張性粘土として構造物を破壊するスメクタイトが検出されています。山頂部との高度差からくるトンネルへの圧縮力に加え、地殻変動・地質の特性から受ける力でトンネルの変形が危ぶまれます。掘削は難工事が予想され、耐用年数も短くなると、地質学者の松島信幸氏は警告しています。

 以上の理由で、事業計画を凍結し、ルート選定を含めた手続きのやり直しを求めます。

 環境影響評価とは、本来、計画そのものの見直しを住民が行うものです。
 日本の環境影響評価は、計画がすでに決定された段階で、計画内容と実施方法を住民に説明するという手続きを行っています。
 しかし、アメリカの環境影響評価は、計画決定以前に対案をつけて提案され、計画破棄も含めて住民が選べるようになっていると聞きます。時には住民投票で賛否を問います。日本も形式的な手続きとしてではなく、アメリカと同じように計画破棄も含めて環境影響評価が行われるべきなのです。
 それが、JR東海の見解書では、「ルート及び駅位置等については…変更することはありません」と書かれています。いったい何のための影響評価なのですか?
 神奈川県も、そのようなアセスのあり方に異議申し立てをし、子どもたちに何を残すべきなのか、南アルプスルートによって何が失われるのかを考えて、知事の意見書を出すよう強く求めます。

                             以上、西村光子さんより。




朝日新聞2014年1月18日神奈川アセス