中央新幹線:リニア、街に夢に 経済効果10.7兆円 - 毎日新聞


また、コンサルのあてにならない経済予測ですか?
まさにこれも発表報道(企業の発言通り)


以下記事


中央新幹線:リニア、街に夢に 経済効果10.7兆円

毎日新聞 2014年01月02日 10時00分(最終更新 01月02日 10時56分)

 リニア中央新幹線が2014年、着工される。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、ヒト・モノ・カネが巨大都市圏を効率的に移動できるようになるとして、東京−名古屋間の開業で10.7兆円の経済効果を見込む。始発駅となる品川駅周辺では、山手線の新駅構想が浮上。都心部と羽田空港を結ぶ新路線も検討されている。東海地震などの巨大地震が発生した際の東海道新幹線の迂回(うかい)路としての役割も期待される。【永井大介】
 ◇相模原 都心、横浜にも近く

 神奈川県内では、JR横浜線・相模線と京王相模原線が乗り入れる橋本駅(相模原市緑区)南口に隣接する県立相原高校(敷地9万7700平方メートル)の地下に設けられる。

 橋本駅周辺は東京都心や横浜市中心部まで1時間以内で行ける利便性から、既に大規模なマンションや商業施設が集積。相模原市はリニア開通に向け、移転予定の同高校跡地に業務・文化交流・技術研究の複合施設建設を構想している。

 市は、橋本駅周辺と南東約3キロのJR横浜線相模原駅前にある在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)の返還予定地(15万平方メートル)周辺を首都圏南西部の交流拠点と位置づける。県も2012年、リニア駅設置に伴う経済波及効果を試算。大阪まで開業し、1時間に上下各5本が停車した場合、駅利用者は年約1370万人、観光客は年約115万人増、県内生産額は年約3200億円増とはじいた。リニア中央新幹線橋本駅誘致促進同盟会の真田勉会長は「新横浜駅周辺以上の発展が展望できる」と話している。【高橋和夫】
 ◇甲府 自然を最大に生かし

 「山々に囲まれ、桃やブドウなどの果樹園が織りなす農村景観を一望できる」。これが山梨県の「リニア活用基本構想」で描かれた新駅のイメージだ。県リニア交通局は周辺での大規模な再開発は想定していない。富士山や南アルプスを背景に疾走するリニアの姿は、新駅の展望施設で楽しめるように。地元経済界は2013年に世界文化遺産に登録された富士山とともにリニアを観光資源として育てたいと考えている。

 県内のリニア新幹線は、地上を走る部分が計27.1キロと他都県より長い。ただ、防音対策のためJR東海は地上部をコンクリート製のフードで覆う計画にしている。自然の中を走るリニアがほとんど見えないため、横内正明知事らは「透明のフードを開発してほしい」などとJRに改善策を要望している。

一方、新駅から北に8キロ離れたJR甲府駅とのアクセスについては、モノレールやLRT(次世代型路面電車)の新設も検討された。だが、コストや採算性から市内を流れる荒川の土手沿いに専用レーンをつくり、バスを走らせる計画に落ち着いた。【春増翔太】
 ◇飯田 秘境駅とコラボも

 長野県飯田市はリニア開通後の都市像として「小さな世界都市」を掲げる。リニア新駅を「長野県の南の玄関口」と位置づけ、JR飯田線のほか、自家用車や高速バス、路線バス、タクシーなどとの乗り換えの利便性を高める方針だ。JR東海は市の要望を受け、国史跡「恒川(ごんが)遺跡群」を回避してリニア新駅の場所を決めた。新駅は飯田線の元善光寺駅と伊那上郷駅のほぼ中間地点。牧野光朗市長は、飯田線からリニアに乗り換える新駅の設置もJRに求めていく。世界遺産登録を目指す南アルプスをリニア新駅から望めるようにし、観光案内や休憩機能も持たせたい考えだ。

 一方、飯田線は山奥などにあり、鉄道以外ではたどり着くことが難しい「秘境駅」の宝庫。同線の6駅を巡る急行「秘境駅号」ツアーは2000年5月以降、大型連休や紅葉の季節に計95日間、190本運行。2万9785人が利用した。リニアが開通すれば「最先端のリニアとのどかな秘境駅の両方を楽しめる」人気スポットになるかもしれない。【横井信洋】
 ◇中津川 「見える」を売りに

 岐阜県と中津川市、地元経済界はリニア新駅を「岐阜の東の玄関」と位置づけ、リニア車両基地とともに地域発展の起爆剤にしようとしている。

 中津川商工会議所はいち早く「リニアの見える丘公園」構想を発表。新駅から車両基地に向かう引き込み線など、リニアが地上に現れる場所を観賞スポットとする計画だ。「乗ってみたい、走る姿を見てみたい、というのが鉄道ファン。リニアの見える丘を活性化のシンボルに」と商工会議所幹部。

公園整備のお金を集める「自動販売機カンパ作戦」も動き出した。自販機でジュースなどを買うと、提携した飲料メーカーと設置者が1本当たり1円ずつを寄付する。2013年2月末の開始当初、2カ所だけだった設置場所は10月末には36カ所に。商工会議所の丸山輝城会頭は「自販機が何百台規模になれば、億単位のカンパも夢ではない」と強気だ。リニア新駅の北側には下呂温泉や飛騨・高山地方が広がる。県は「濃飛横断自動車道」を新駅近くに整備し、アクセス向上を図る。【小林哲夫、加藤沙波】
 ◇名古屋 有数の摩天楼に

 名古屋駅周辺では、リニア開業に伴うビジネス客や観光客の増加を見込んだ再開発が熱を帯びている。建設中の高層ビルは、三菱地所の大名古屋ビルヂング(34階)▽日本郵便の新ビル(40階)▽JR東海の名古屋駅新ビル(46階)。2015年秋から16年にかけて完成し、ミッドランドスクエア(47階)などとともに日本有数の摩天楼を形成。リニアを迎え入れる。

 名古屋市の河村たかし市長は「東京と大阪の真ん中で、どえらい面白い街をつくれば、めちゃくちゃはやる」と強調。街づくりの基本構想を14年秋にまとめる方針で、名古屋駅から名古屋城など観光地を回るLRT(次世代型路面電車)導入などが浮上している。名古屋鉄道は、トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市と名古屋駅を結ぶ路線の高速化の検討に着手した。

 一方、リニア開業で人やお金が東京に吸い上げられる懸念もある。愛知県の大村秀章知事は「首都圏は巨大な魅力と吸引力を持つ」と指摘。リニアの集客力の受け皿になれるような街全体の活性化が必要だ。【米川直己】