再掲  
日経ですらこの程度

リニア翔ぶ 日経産業新聞編 日本経済新聞社 1989

88年6月に日経産業新聞に掲載を始めた記事に加筆したとある。そして、リニアに政治、経済、社会、技術の4つの側面からアプローチしたのは本書が最初だと自信をみせている。
また、運輸省、大蔵省、リニアで国土計画をもくろむ国土庁などの官界の主役から本音を聞いたと。永田町では金丸元副総理、三塚博、石原慎太郎らの政界実力者の動きを視野にいれつつJR各社の動向や自治体の誘致運動の実態を追ったとある。
他書と同様、多くのデータはJR総研、JR東海、三菱総研からの発表のものと思われます。

200x年 都内の一部上場企業の役員Aさんは 朝7時に甲府市内の自宅出て、歩いて5分で新甲府駅からリニアモーターカーに乗れば120k離れた都心まで20分 丸の内のオフィスで8時半に始まる役員会に十分間に合う。そんな物語が始まる。分譲価格6千万円台と格安だった自宅を購入し、24時間体制で運航されるリニア新幹線のおかげで、、、、

ストロー効果の影響は懸念(中央集中化がさらに進むと、国土庁)地方レベルの一極集中の加速
行政、文化機能は均一に機能分散との予測が多い。
経済効果は三菱総研の10兆円(これしかないようですね)山梨5400億、愛知2700億(ストロー効果)

技術論等は鉄道総研のモノを引用

JR各社の動き ばらばら 推進JR東海、慎重JR東日本 否定的?JR西日本
JR東海が新実験線を急ぐ理由は減価償却資産造りと指摘(実験線に1000億投じても、そのほとんどを自社の償却資産に出来れば、将来の株式上場に備えて内部留保でき、かえって安いものにつくとの計算)これで他社はJR東海非難開始
JR東日本副社長(国鉄運転族)「リニアは我々運転屋からみたら、まだ未完成のシロモノ」
JR東日本住田社長「(3兆円の建設費)そんな額でできるわけがない」

企業:三菱色の濃いJTEC、 リニア開発にかかわってきた重電3社(三菱電機、東芝、日立製作所)のうち、日立が抜けた会社(JR東日本首脳)

西ドイツのトランスピッド(伊藤忠が代理店契約)、石原慎太郎「あんなもの(TR)、日本では絶対やらせない」発言

行政関連
大蔵省 田谷主計官「現業部門はとても予算を削るわけにはいかない。リニアに振り向ける予算はない。無い袖は振れぬ」民営化へ移行したのだから「もう国に頼る時代ではない」
(この方、その後はめられて失脚ですよね)

電磁波 リニア200ガウス、トランスピッド01.-1ガウス NMR-CT(病院の)は5ガウスガイドライン
電力 発車直後の電力の急増さえカバー出来れば、中部電力や東京電力が心配する“東海大停電”は回避出来ることになる。

全体のシステムとしては西ドイツに1日の長がある(正田英介東大教授)

目次
1. 時代はリニア
なぜ今リニアモーターカーなのか
一時間で結ばれる東と西
経済波及効果を予測する
リニアモーターカーの原理と構造
2.リニアを獲れ 
JR各社の動き
企業のうごめき
官庁の変身
政治家の動き
3.テクノフロンティア
ペースメーカーを守れ
超電導磁石への期待
残された問題点
日独リニア比較論争
HSSTの特徴
車輪式リニアのメリット
近距離型リニアの争点
リニアの未来
4.ルートを行く
甲府―東京
成田―東京、成田―大宮
札幌―千歳空港
宮崎―北九州
仙台―上野
岡山
都市交通の核として
5.欧米では今(西独
フランス
イギリス
カナダ
米国・ラスベガス
米国・フロリダ
ソ連

日本経済新聞社
1989-04