本が好き 献本御礼

矢野恒太記念会というところはきっとデータの山に埋もれているのだろうと思ってしまうほど莫大な情報をお持ちなのだと思う。本書は1927年(昭和2年)が初版で版を重ねていると書かれている。

詳細なデータの羅列、実はそのデータの組み合わせと熟考により日本の未来が見えてくるのであるし、過去と現在の比較を通して日本の歩いて来た道のりをなぞる事が出来る。

人口動態と言った基本的な国力判断材料、為替動向や経済指標の変遷、主要産業の変遷、国内外のエネルギー動静、ありとあらゆる統計がある意味無機質的に記載されている。しかし、その無機質に見える統計資料が結合され、あるいは統合され、組み立て直す事により見えてくる事実が多いのではないだろうか。 エネルギー問題と国防とか、世界の貿易と環境問題とか。

日本だけのデータでなく同時に示される海外のデータとの比較がさらに現状認識をより正確に理解させるし、今後の日本のあるべき姿を浮かび上がらせると感じる。

単なるデータの相関性を解析するのでなく、種々なデータをいかに客観的中立的に眺める事が出来るかにより裸の日本が見えてくるのだはと思う。

まずは、自分の興味あるデータから眺めて、そのデータの時系列を他の時系列データと比較してみるだけでも面白い。

個人的には国防支出と兵力の年次変化(2010-2012)なんかを見ると今後の中国の躍進(国民一人当たりの支出額は少ない)が間違いないと思わざるを得ないのである。

日本国勢図会〈2013/14年版〉
日本国勢図会〈2013/14年版〉 [単行本]