革命の季節 重信房子 幻冬舎 2012 

献本(本が好き)御礼 

憎しみは更なる憎しみを生み、暴力は更なる暴力を生みだすのだろうか。
人に対して生き方を説く事など到底出来る人間ではないものが、この著書のメモを残すという行為を許して貰いたい。

重信さんの時代(1970年代)を同じ青春として生きた人は同じ環境、政治、自然の中で過ごしてきたのだろう。見城徹氏の序文(たべて苛酷になる夢)がそんな当時の状況を表している。
世界の中で抑圧された人々の不条理を取り除こうとする若者の希望と夢。
イスラエルのリッダ空港(テルアビブ)襲撃というテロは認めてはいけないのだけれど、それではイスラエルのパレスチナに対するテロは認められるのか。
不勉強な自分には分からない、しかし、「テロ」という文脈は政治的あるいは宗教的な対立軸の中で使われていないのか?或る者にはリッダ事件での日本人は英雄として語り継がれている。

備忘録的メモ
イスラーム:平等という理念にもとづく
重信25歳、足立32歳、若松35歳(映画監督)の青春 PFLP取材 表現者としての役割、それが戦士への連帯
奥平氏がリッダ闘争に立つ時に残した荷物の中の3冊の本、独和辞典、唐詩選、ランボー詩集
日本における強制労働(中国人)への哀れみと、搾取し続けた日本人への怒り、イスラエルへの怒り(檜森、2002年日比谷公園で焼身自殺)
世界を変えたい冷戦思考の人が、反ソ連から反テロという新しい名目で、21世紀の力支配秩序を無理やり再構築しようと企てているだけのではないのか?冷戦思考とは、誰かを敵とすることによって、自己の価値を正当化し、支配する方法である。「正義」は一つではない。
アラブの春というレトリック、アラブに「冬」を強いた世界が、今アラブの春だなんて、アラブの民衆の命を賭けた戦いをほめそやし、かすめ取ろうとしているように見えます。
パレスチナ住民の参加も決定権もなしに「決定」された1947年の「パレスチナ分割」(国連総会決議181号)当時、パレスチナの土地の93%を占有していたアラブ・パレスチナ人に対し、ユダヤ人はわずか6%。ところがアメリカに強力にバックアップされ、スターリン時代のソ連の賛成によって、パレスチナ人には43.5%の土地を、ユダヤ人には56.5%の肥沃な土地を与え、聖地エルサレムを国際管理に置く事を決定。
京大西部講堂の屋根の3星は今もある。


革命の季節 パレスチナの戦場から
革命の季節 パレスチナの戦場から