日本林業を立て直す 速水亨 日本経済新聞出版社 2012


帯は村上龍氏(作家)が書いている。

日本の森を俯瞰的にそして地を這う虫の目で、そして森に生きる人間と多様な生物達の目から見ている。ご尊父、速水勉氏の「美しい森をつくる-速水林業の技術・経営・思想」(2007)を併せて読まれるとさらに速水林業の目指している、林業そして多様な森の姿が理解できるのだと思う。ちなみにこれを書いている私は、まったく林業に係りは無い。ただ森の中を流れる渓流でイワナに遊んでもらう事を楽しみとしているメタボ親父なのである。

さていつもの様に備忘録的メモ

林業家は現代の時間の尺度とまったく違う時間を生きている、その中で経済活動をしなければいけない。(数年後、そして100年後の山を想像して仕事をする、毎年という時間のサイクルで動く農業等は異なる)
林業に携わる若い人には自分の森林を測り、その結果を自分なりのやり方でグラフや表にすることを勧めている。
昔から新しいことに常に挑戦し続けてきた。「再生出来る資源」の経営
1960年から始まった林業構造改善事業という補助金が成果をあげず、いまだに30-40年前と同じような作業を続けている。
林道や作業道の改善(1961- 勉氏と諸戸民和氏) 林道・作業道の政策は失策だった。
誤解を恐れずに言えば、現在の木の値段は林業家、国有林も含めた林業家自身が下げた。
挿し木(多様性の減少のリスク、造林放棄を避ける緊急避難的技術開発)、直根を切らないことにより倒れ難い木になる。
どこに行っても学ぶことはある。
400年後の山を想像して楽しむ、そんな夢に付きあってくれる従業員。
生物多様性と経済性の両立 明るい森、下草のある森(土砂が流れない)針葉樹、広葉樹といった単純な問題ではない、コナラやブナの森はむき出しの地面。
多様な林相の山を作る
「生き物がメンバーになれる森林」、林縁、バッファーゾーン
林業が本当の意味でサステバビリティを持つためには、豊かな土壌を作り続けることである。
技術だけの導入ではなく、人と森の哲学を知る必要がある。自然相手の林業で単なる海外技術の導入は定着しない。
林業家の平均年収26万円。この数字を林野庁が発表していること自体、失政を発表しているようなものだし、ここまで苦境にある森林に国税庁が評価価格を付けていることもおかしい。
ユーザーが欲しい木を育てる。
被災地を元気にする移動式製材機(70-100万円)
「命の集合体の森」という観点なくして私の林業はありえない。
途上国の森の伐採による負の連鎖は「生物の多様性の犠牲のうえに成り立っている」日本。
日本のコピー用紙の3割は違法な材木から
官制フォレスターから民間フォレスターへ

私は林業が好きだ。山が好きだ。そこに働く人たちを愛している。年老いた父が言う。「森を愛し、村を愛し、人を愛する。これが林業だ」。私もそうありたい。p248
 

まえがき
第1章 千年の森を訪ねて
第2章 速水林業九代目に生まれて
第3章 速水林業のやり方
第4章 生物多様性と経済性を両立させる
第5章 ヨーロッパ人の森、日本人の森
第6章 日本林業の行くべき道
第7章 誰が森を壊しているのか
第8章 森と人々の関わりを取り戻す

日本林業を立て直す―速水林業の挑戦
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美しい森をつくる-速水林業の技術・経営・思想-
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