図書館本

日隅さん(1963-2012、6月逝去)を知ったのは自由報道協会の方の著作やウエブだっただろうか。
京大卒、元新聞記者(産経)、弁護士。もう少し長生きして報道の在り方を変えて欲しかったな。

本書は薄い、でも内容は凄く濃い。原発事故から多くの国民が理解したメディア、政治、行政の問題点。

当たり前の主権在民が主権在官になっている現状を憂い、今後の日本の「主権」がどうあるべきかを論じていると思う。

いくつか備忘録的メモ
公益通報保護法の不備。
裁判官に必要とされるのは、人々の生活と健康を第一とする市民的な感覚である。そのような感覚の涵養には、裁判官に表現・信条・集会の自由と保障することが何より重要である。
原告勝訴判決を抵抗なく書ける環境を作る事(下級審の裁判官は様々な制約下にある)

主権者として振る舞うための5つの条件
自分たちのことついて判断するため、必要な情報をえること
情報に基づき、市民が代表者としてふさわしいと考える人物に投票できること
国会で自由闊達な議論が行われ、立法や政策に市民の意思が反映されること
法律を執行する行政を監視するシステムがあること
国民みずから主権者として振る舞うための教育などが行われること。

「主権者」は誰か――原発事故から考える (岩波ブックレット)
「主権者」は誰か――原発事故から考える (岩波ブックレット)
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