電通の正体 週刊金曜日取材班 (株)金曜日 2006
図書館本

主に週刊金曜日に掲載された内容をまとめた。
2011年3月11日の原発震災において、多くの人が既成メディアの不透明さを実感したのではないだろうか。
既成メディアとしてテレビ・ラジオ、新聞、雑誌等の多くが広告主(スポンサー)無しでは成り立っていないことが、情報の偏向性に通じることを原発震災は一層明らかにしたのだと思う。これまでも東京電力の多額の広告費(広報)によるメディア懐柔(朝日、毎日の原発広報等)などは一部のジャーナリストにより書かれてはいたが、殆どの国民は大手メディアの情報を鵜呑みにしていた。
もちろん、私も。
養老孟司さんがその辺を見抜いていて公平、客観、中立などという放送や報道はあり得ないと、つねづね書いていたのである、それがNHKであっても。

小泉政権時のタウンミーティングにおいて電通がその企画を高額な費用で仕切っていたことが報じられ、私などは初めて広告代理店があらゆる分野に進出していることを知ったのである。
本書では電通をメインに論じているが、大手3社によりほぼ独占(テレビ広告は3社で90%)されている広告代理店の問題点を指摘している。

いくつかメモ
原発を抱えるある電力会社は興信所を使えばいいものを、広告代理店(博報堂)に金を支払って反原発運動団体を調べさせた。
「ニュースステーション」番組枠そのものを買取
電通とNHK子会社NHKエンタープライズが出資する(株)総合ビジョンという番組制作会社がある。
電通と全国紙の持ちつ持たれつな関係

こんなのwikiに出てました。
1970年代 戦略10訓として
1. もっと使わせろ
2. 捨てさせろ
3. 無駄使いさせろ
4. 季節を忘れさせろ
5. 贈り物をさせろ
6. 組み合わせで買わせろ
7. きっかけを投じろ
8. 流行遅れにさせろ
9. 気安く買わせろ
10. 混乱をつくり出せ

広告という手段は経済という文脈では必要でしょう、しかし目的のために手段を選ばずとなった時の危険性を私たちは知らないと原発震災のような悲惨な体験を再度経験することになるのでしょう。
リニア新幹線も高速道路やダムなども同じカテゴリーだろう。
電通の正体―マスコミ最大のタブー
電通の正体―マスコミ最大のタブー
クチコミを見る