図書館本

原発や電力、さらには経済の本なんかを読んでいると、心が渇いてきますよね。現実逃避したくなるんです。

短編6本、5本は雑誌に発表されたもの、1篇は書き下ろし。


これまでに
いま、会いにいきます。
恋愛写真ーもうひとつの物語
その時は彼によろしく
吸涙鬼 などなどを読みました。


今回も市川ワールドは健在です。
都会でもなく田舎でもない、天文台があり植物園がある。そして回りのヒトと少し違う心の動き(いや、本当は誰もが持っている性質かもしれない)の中で展開する物語。

決してすべてがハッピーエンドにはならないのだけれど、なぜか子供時代の心にタイムスリップさせてくれるような薬効をもつ本です。

こんなテキストが素敵です。
去り行く定めにある者たちが抱く淡い夢。記憶の中に生きること。覚えていてね、と彼女は言った。忘れないで。
ぼくはページをめくり彼女の残した言葉をそっと辿る。時を過去へと遡るために、追憶に棲まう人々と再会するために、そして、いまひとたび彼女のあの微笑みに触れるためにーー「いまひとたび、あの微笑みに」

個人的には「花の呟き」が特によかったかな。ダムに沈んだ村の記憶。涙を誘います。

ぼくらは夜にしか会わなかった
ぼくらは夜にしか会わなかった
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