久繁哲之介の地域力向上塾


非常に論点が整理されていて、経済という文脈から説明しています。
朝日新聞の取材への回答との事です。
山梨県のローカル紙は決してこの様な記事を載せないのですが。その理由は今や明らかですよね

誰のためのリニアか?どうぞお読みいただければと思います。

一部ブログの記事が引用します
次の論点です。流入と流出の大きさは、それぞれ新幹線の利便性に比例します。
これは新幹線駅の立地(種類)に左右されます。
 新幹線駅の立地(種類)は次3つ、上ほど利用者の利便性が高い。

1)ターミナル駅併設型 
 例:東京駅、名古屋駅、広島駅

2)ローカル駅併設型 = 新xx駅型 
 例:新横浜駅、新大阪駅、新青森駅

3)単独駅型 = JRを含む全ての鉄道駅に併設されない「不便な新駅」 
 例:本庄早稲田駅、安中榛名駅


 朝日新聞記事で話題の山梨県甲府市に設置されるリニア駅は「3型」を
「地元関係者がJRに要請」している事に私は非常に驚いています。

 県庁所在都市の新幹線駅が「利用者に最も不便で、効果が最も低い3型」を選ぶ
正当な理由も前例も見当たらない。

 甲府市のリニア駅は、甲府駅から8kmも離れています。リニアで甲府新駅に着いても、
タクシーやバスに乗り換えて甲府市街地へ行く所要時間は、現行のスーパーあずさ
や高速バスで甲府駅へ行くのと大差がない。一方、リニア+バス(タクシー)の運賃は
スーパーあずさや高速バスより、かなり高くなるだろう。

 かように3型は「利用者の利便性が極めて悪い」ので、前例の利用度も芳しくない。
3型の失敗例「長野新幹線の安中榛名駅」は東京からの距離が甲府と同じ約120km。
群馬県の安中榛名駅のH22年度1日平均乗車人数は僅か252人にすぎない。

 以上2つの事例は「利用者、競合との競争・連携」を全く配慮できていない。
では何故「利用者に最も不便で、効果が最も低い3型」複数の地方都市で選ばれるのか?
「利用者、競合との競争・連携」は配慮せれず、何に配慮されているのか?

地元土建関係者の意向(3型は、駅建設費やアクセス道路建設費が大きい)や
地元商業関係者の意向(3型は、消費流出が小さいと錯覚されている)等…

 つまり、利用者不在の新幹線整備は「市民不在まちづくり」の構図と同じ。
まちづくり(と称する)関係者たちは、実は自分の私益ばかり考えていて、
「地域全体(公益)、顧客、競合」への配慮に欠けています。