偽装農家 神門善久 飛鳥新社 2009
図書館本

「日本の食と農」(2006)の著者がかなり怒っています。私も同意します。
多くの真面目なそして共同体を守る農家の方が居る一方で、農地を資産運用のために考えていたり、税金対策のためだけに所有している実態があるのです。
そこに日本の農業政策、ひいては国益を損なうような事態を招いているのです。
現在(2011年11月)騒がれているTPP問題の根っこは、これまでタブー視していた農業問題にあるのかもしれませんね。1994年のウルグアイ・ラウンド農業対策費の7兆円ものばら撒きが今回は行われない事を祈るばかりです。農業そのものの改革や国益に結びつかない箱物やオートキャンプ場を造った事を忘れてはいけません。真面目な農家の皆さんの為になる補助金や施策でなければ。

備忘録的メモ
農家=社会的弱者というイメージのウソ(兼業農家と専業農家の比率、競争力がある専業農家の存在)
農商工連携という美句を装った農水省と経産省からの補助金を引き出す口実(商工会議所とJA)
農地転用は簡単に出来る(莫大な利益が生まれる。補助金で区画整理して、その後転用)
偽装農家の援軍(自民党、民主党のばら撒き政策)
偽装農家撲滅のための「平成検地」を(都市住民も協力を。地租改正は7年かけて実現)
検地は今ならGPSで簡単に可能
農業基本台帳の洗い直す
農地を減らせていく必要性(米の生産量過剰、中山間地の農地は農作より山に戻した方が良いところが少なくない、人口減少だが住宅に対する欲求が強い)
農地を守るべきかどうか?について精神論を闘わせても不毛。具体的数字で議論すべき。
農地転用権を入札で決める
外国人就農を可能にして農地所有を認める

目次
1 食料自給率の空騒ぎ;
2 農家に都合の悪い真実;
3 偽装農家の現実;
4 違法転用を黙認するメカニズム;
5 偽装農家をなくすための提言;
6 思い切って農地を減らす

偽装農家目次






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