個人の渓流魚放流 規制始まる - NHK山梨県のニュース


非常に良い事ですね。

もちろん、これまで個人だけじゃなくて漁協が養殖魚を在来魚種が生息していた地域に放流した実績もありますが。

秩父イワナなんかも、釣り愛好団体が勝手に放流して交雑が起こっているという報告があります。そして、逆にその秩父イワナを守ろうとしている団体もあるのです。


以下記事

個人の渓流魚放流 規制始まる

天然の魚と放流された魚との交雑を防ぐため、釣りの愛好家などの個人がイワナなど3種類の渓流魚を許可なく県内の川に放流するのを規制する取り組みが始まりました。
天然の魚の保護を目的に行政機関の指示で放流を規制するのは、全国でも初めてだということです。県によりますと、県内の川では、渓流魚と放流された魚の交雑が進み、天然の魚の生息域が年々、狭まっているということです。
この原因について、県は釣りの愛好家などの個人が、自分の釣りのポイントを確保するため、天然の魚が生息する県内の川に養殖された魚などを勝手に放流したためと見ています。
このため、県内水面漁場管理委員会はこれ以上の交雑を防ぐため、イワナ、ヤマメ、アマゴの3種類の渓流魚について、個人が、委員会の許可なく、県内の川に放流するのを規制することを決め、27日からその取り組みが始まりました。
県によりますと、天然の魚の保護を目的に行政機関の指示で放流を規制するのは、全国でも初めてだということです。
違反した場合、罰則はないものの、悪質なケースに対しては知事を通じて是正命令を出すということです。
県は、1年間、この取り組みを続けてその効果を検証する方針で、県花き農水産課の田中真課長は「釣りの愛好家とも協力して、県内に生息する天然の魚を保護していきたい」と話しています。

10月27日 12時46分


朝日の記事

河川への放流制限 全国初 天然魚を保護

2011年10月28日

   ■県内水面漁場管理委が指示

 県内の河川に生息する天然魚を保護するため、河川での放流を制限する指示を県内水面漁場管理委員会が27日に出した。県によると、委員会が放流を制限する指示を出すのは全国初。今後、放流の際には委員会の承認が必要となる。

 県花き農水産課によると、保護対象は絶滅のおそれがあるとして県のレッドデータブックに記載されているイワナ、ヤマメ、アマゴで、生息域以外の魚と交配していない天然魚。2008年時点で、富士川水系など53カ所で生息が明らかになっている。

 規制の背景には、放流された魚との交配により天然魚が減少していることがある。自然の状態では、川魚は他の生息域の魚と交じることはないが、釣り愛好家らが釣り場の確保や魚の保護のために放流を繰り返してきたため、交配が進んだという。

 県は09年ごろから、釣具店や河川敷に放流しないよう求めるチラシや看板を掲示。だが、放流が確認されたため規制にふみきった。

 規制によって、3種類の魚を河川に放流する際は、事前に委員会に申し出て天然魚の生息域でないことを確認する必要がある。天然魚の生息域を把握している漁協による放流や、釣った魚をその場で放流することは認められている。

 規制は来年10月26日までの1年間。必要があれば継続も検討する。罰則はないが、従わない場合、委員会は罰則を伴う知事命令を出すよう求めることができる。県花き農水産課の担当者は「ほとんどの場合、放流には悪意はないが、保護のためにまずは、お願いの意味で指示を出した」と説明している。