原子力神話からの開放 高木仁三郎 講談社 2011年5月(2000年同名 光文社)
図書館本

原著は2000年同名の書、一部訂正して編注を付けたとある。

「神話」という言葉は「大ウソ」と読み代えれば分かりやすいだろう。
神話というのは神にまつわる話なのだから、神様に失礼ですよね、まあそんな事を高木さんはどうでも良いはずである。
それにしても高木さんの当時の指摘(亡くなる間際の2000年7月あとがき、10月没)が予言の様に思えてならない。フクシマの原発事故はある意味、起るべくして起こっただろう。

9つの神話(ウソ)とは
原子力は無限のエネルギー源
原子力は石油危機を克服する
原子力の平和利用
原子力は安全
原子力は安い電力を提供する
原発は地域振興に寄与する
原子力はクリーンなエネルギー
核燃料はリサイクルできる
日本の原子力技術は優秀

最後の章(11章)で原子力問題の現在とこれからと題して
原子炉の老朽化症候群
原子力産業の斜陽化症候群
廃炉の時代の諸問題
放射性廃棄物と余剰プルトニウム問題
 を論じている。

通読して改めて自分自身の無関心と無教養を恥じるのである。10年以上前にすでに科学的かつ論理的な脱原発のための書があり、ドイツでも2000年にはシュレイダー首相が脱原発を政策とした。そして日本は40年寿命のはずの原子炉を60年使う事に無し崩し的に進んでいく。そして原子炉運用開始からドンドンと老朽化した原子炉がこれからも運用されていく現実が日本国内に存在するのだ。

原子力神話からの解放 −日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社プラスアルファ文庫)
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