田中氏の前作、マタギ 矛盾なき労働と食文化(2009)が良かったので読んでみた。

今回は5人の女性のハンターのルポである。
まず驚いたのは女性の鉄砲打ちの方がいたという事実。
狩猟をプロとしてされている女性、農閑期や副業的に山と関わり猟をする女性達。

動物保護団体等からのクレームもあるという。
なぜ、野生動物を殺すのかと。(田中氏自身もマタギですら、伝統や文化という理由付けだけでは
不十分な説明になりつつあると危惧する)

昨今の森林破壊(手入れが不十分なため)のために
里に降りてくる野生動物によるいわゆる獣害のための駆除という意味あいもある。
また、以前は鹿などいなかった地域にも何らかの影響(温暖化?)で増え続ける鹿。

家畜にせよ、鹿や猪、熊にせよ、屠って食すのは人間である。
家畜は良くて野性はいけないという論理もおかしい。生きるものを殺するのであるという文脈では。

食育という授業が最近は学校でもあるという、パックに入った食肉がどのようにパック詰めされたを
知らない人が増える事を危惧する。

山にドングリを撒いて熊を救おうとする団体の話が一部出てくる、田中氏自身も深くは本書の中では
深く考察はされていない。是非とも今後、熊の問題と狩猟の問題にも言及していただきたいと思う。

養老孟司さんは女性と子供は「自然」であると書いていた。女性が山の中を駆け巡るのも本来の姿の
なのだろう。

女猟師
女猟師
クチコミを見る