デフレの正体 藻谷浩介 角川one テーマ21 2010 6月

2011年2月17刷(50万部)

藻谷さん(1964-)の経済人口論であろうか。エマニュエル・トッドと同じ論理展開だと感じる。多くの資料(公的、半公的、アカデミックな)を駆使して数字で日本経済を咀嚼していく。本書に批判的な方も多いようだが、E・ドットの主張に対して反論を試みているものは無い様に思われる。
平成合併前の約3200市町村の99.9%と海外59カ国を概ね私費で訪問した経験をもつとの事。

さて、備忘録的メモ(当たり前の事を知らないオヤジとして)
日本国債はほぼ日本人が買っている。1400兆円の個人金融資産
アメリカのファイナンス:ビジネススクールで教えられていたことは、怪しい投資話に投資家を誘う甘いフィクションだった。
自由競争=量的拡大という勘違い (人件費に回るコストの低下)
KY:空気を読めないでなく、空気しか読まない人々 SY:数字を読まない、GM:現場を読まない
全数調査の絶対数というものはきちんと理屈通り連動する。
地方の衰退=首都圏の成長、ではない。都心が元気というウソ
失業率が高く、有効求人倍率が低い沖縄で就業者数が増えている。首都圏は増えていない。メディや学者の一部までも実際の就業者数の増減をチェックしていない。
地域間格差でも景気でもない問題点― 現役世代の減少と高齢者の激増
総人口の減少より生産年齢人口層の減少が激しい
首都圏一都3県 00-05年 65歳以上 118万人増加 全国では376万人 3人に1人首都圏
沖縄はまだ現役世代が増えている。不況だけど個人所得が増えて消費も増える
今の不景気は100年に一度の騒ぎでなく、有史以来の事象
団塊世代が75歳を超える2025年、75歳以上人口が現在の5割増 その団塊ジュニアも高齢化
生産年齢人口が減少しても労働生産性をあげればGDPは落ちないというマクロ経済学の絶対定理がGDPさえ成長していれば、それが世界の隅々に波及して皆がハッピーになるという思いこみ。
高齢者から高齢者への相続で死蔵される貯蓄
経済成長という総論だけが横行して、生産年齢人口層の所得が増加しない
規制緩和による自由貿易で内需の拡大はおこらない(アメリカの市場経済主義)
ある程度以上の年齢の正社員や退職者の既得権益化した処遇や福利厚生
マクロ政策では実現不可能なインフレ誘導とデフレ退治
モノづくり技術の革新こそが日本生き残りの最大のカギであるという美しい誤解(技術革新は必要ではある)
外国人労働者受け入れは事態を解決しない
1400兆円の多くを死蔵している高齢富裕層が問題
団塊世代の退職で浮く人件費を若者に。
非正規労働者の雇用による内需の縮小化
生前贈与促進で若い世代への所得移転(基礎控除額を大幅に減らし、最低税率を低くし、最高税率を上げる)
女性の就労と経営参加
観光はあらゆる産業を活性化する総合産業(公的支出の費用対効果が極めて高い外国観光客誘致)
年金から「生年別共済」への切り替え(お年寄りの面倒はお年寄りから徴収した金銭でみる)
真のエリート、リーダーの創出



まえがき
第1講 思い込みの殻にヒビを入れよう
第2講 国際経済競争の勝者・日本
第3講 国際競争とは無関係に進む内需の不振
第4講 首都圏のジリ貧に気づかない「地域間格差」論の無意味
第5講 地方も大都市も等しく襲う「現役世代の減少」と「高齢化の激増」
第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀
第7講 「人口減少は生産性上昇で補える」という思い込みが対処を遅らせる
第8講 声高に叫ばれるピントのずれた処方箋たち
第9講 ではどうすればいいのか々睥霽挈義悗ら若者へ所得移転を
第10講 ではどうすればいいのか⊇性の就労と経営参加を当たり前に
第11講 ではどうすればいいのかO働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受入を
補講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」
おわりに
あとがき


デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
クチコミを見る


自由貿易は、民主主義を滅ぼす
自由貿易は、民主主義を滅ぼす
クチコミを見る