それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子 朝日出版社 2009
図書館本 やっと順番が回ってきました。

東大教授の加藤さん(1960-)が神奈川の栄光学園(鎌倉の私立中高校)の歴史部部員20名ほどに行った講義をもとに書かれている。かなり売れている本だそうです。

相変わらず自分の無教養さを痛感するわけです。
公文書や日記を丹念に読み込む事により当時の日本と世界の動きが分かるのでしょう。またそれは権力側と市井の側との両方の認識を確認する作業でもあるのでしょう。
条約や密約を通して行われてきた地域秩序を維持しようとする動き、あるいは、マーケットの拡大や人口増に対する植民地をのぞむ欲望等々。
日本人の中に潜む思想、宗教、歴史的認識などの総体として戦争という行為は行われているのでしょう。
二度と愚かな(当時の人々はそうは思わないかもしれないが)争いをしないために歴史という文脈が存在するのだと思う。歴史にIFはないと言う。しかし、そのIFをシュミレーションしてみることで、戦争回避の可能性も見えてくるのではないだろうか。
その行為は軍人や政治家が行うだけではもちろんない、国という枠組みの中で生きざるを得ない日本人という民族としての自決を自ら決めないといけないだと思ったのである。


それでも、日本人は「戦争」を選んだ
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