星野リゾートの教科書 中沢康彦 日経BP 2010

以前、「星野リゾートの事件簿」を読んで非常に魅力的な経営者である星野さんに興味をおもった。
今回の書は、その星野社長(1960-)の経営方針や経営哲学の一端を示している。
経営は教科書どおりにすれば良い。この大前提で、星野さんがこれまで読んだ書籍を挙げながらいくつかの再生中リゾートをケーススタディーにして話がすすむ。
僕自身は経営学など習ったことがないので、本書に挙げられている書籍が果たして実際のビジネスに役に立つのかどうかの判断は出来ない。ただ、読んでいて思った。サービスや顧客満足度がしっかりしていれば経営は成り立つのであろうという、かなり当たり前の方法論。
「言いたい時に、言いたいことを、言いたい人に言う」これもかなり当たり前だとは思うけど、実は出来ている会社や組織が少ないのかもしれませんね。
そしてブランドを作っていく。これも特徴ある色を旅館やホテルが出していくというあるしゅ当たり前の戦略ではないだろうか。
当たり前のことを当たり前にできるようにする雰囲気を星野社長は作りだしているのだと思う。本書では書かれていないこと。すなわち星野という個人のもっている経営者としての力量と人間的な力量、それは社員やお客様にたいする溢れんばかりの愛情の様に思えてならない。単なる教科書だけの知識では、経営は出来ないのである。人間としての魅力をどうして獲得できたかは残念ながら本書では明らかにはならないのである。だからビジネスって面白いのかもしれませんね。



星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則
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