図書館本

はじめは単なるホームレス(路上生活者)の観察日記かと思ってました。
いや〜深いです。思想的哲学的です。
なぜ、人は生きるのか、幸福とは何か。土地所有とは、労働とは、そして時間とは何か。
坂口さん(1978−)は名門早稲田理工の建築を卒業されている建築家で作家なのですね。

都市という脳が作り出した空間に住む人たちの多くは、画一的な価値観の中で貨幣に基づいた生活をしている。ところが路上生活者の中には、そんな価値観にとらわれない自由な生活をしている人々もいる。
そこには最低限の貨幣の流通(中にはゼロ円生活も可能な人がいる)量の中で過ごしている幸せな人もいるのである。

束縛の無い生活。もちろん悲壮感漂う生活者もいるのだけれど、坂口さんの関係性の中にいる路上生活者(反対語は屋内生活者?あるいは住所取得者?)は生き生きと綴られています。

坂口さんが言うところの都市型狩猟採集生活とは、ただの路上生活の事ではなく、最終的目標は、自分の頭で考え、独自の生活、仕事を作り出す事にある。
脳化した都市の中で、考える事の重要性を指摘しているのである。
特に現在の若い人達、バブル経済を経験した大人達の価値観に捉われる事無く自分の道を進んで欲しいと思う、そんな感想を持つ書である。

あえて言えば、やはり都会で生かされているという感じは拭えない。
現代の漂泊者として自給自足してしまう、そんな路上生活放浪者の記録を読んでみたい。

ゼロから始める都市型狩猟採集生活
ゼロから始める都市型狩猟採集生活
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