牡蠣礼讃 畠山重篤 文藝新書 2006

「森は海の恋人」の畠山さんである。
一芸に秀でていると人、あるいは道を究めた人というのは謙虚である。そしてご自身のこれまでの苦労を昇華して、個人の富に生きるのではなく、利他に生きるのだろう。
牡蠣の養殖を生業としてこられた畠山さんの生き様がまとめられていて、まさに牡蠣への愛情が溢れている。
普段、食べるだけの牡蠣であるが、この本を読んでから食べるとさらに美味しく感じることは間違いない。それは、牡蠣養殖に生涯をささげた多くの日本人や他国の人々の歴史や牡蠣の文化が凝縮されているからである。
牡蠣には5種類ほどあり、それぞれに特徴がるあること、料理や好みの差があること、宮城産の牡蠣がフランスで食べられている牡蠣の先祖であること(日本から輸出)などなど興味深い内容が盛りだくさんである。


牡蠣礼讃 (文春新書)
牡蠣礼讃 (文春新書)
クチコミを見る