貧困の終焉 ジェフリー・サックス 早川書房 2006
図書館本
原題:The end of poverty, How we can make it happen in our lifetime.2005

国連ミレニアムプログラムの責任者でもあるサックス教授(1954- )のベストセラー。500ページを越える書。序文をボノ(U2)が記している。読者の私は経済にはまったく疎いので十分に咀嚼出来ていないと思います。
29歳にしてハーバードの終身教授のポストを得たというサックス教授が、貧困の罠から途上国を救うためには何をすべきかをご自身の途上国での経済政策顧問等の仕事を通じ国連でもミレニアムデベロッピングゴール(MDGs)を策定して世界から貧困をなくすという。
病気の撲滅、科学の有効利用、教育の徹底、基本的インフラの構築、極度の貧困者の救済がこれからの繁栄に必須だと書く。おそらくそのゴールに不平を述べるものは少ないだろう。サックスさんは先進国のGDPの0.7%を使えば極度の貧困は2025年までに解消できるという姿勢なのだ。
備忘録的にメモしておきたい。
近代経済成長とともに生じた現象のなかでも、もっとも目につくのは都市化である。
IMFの禁欲主義的施策が途上国の混乱を招いた事が多々あったp128
開発経済学の新しい手法として臨床経済学という取り組みが必要p129
グローバルファンドの設立(エイズ、結核、マラリア)p301
被援助国の自助努力も必要(当たり前ですが、なぜ出来ないのかの考察がないですね)p379
援助の一本化が望ましい、それには国連システムの活用がよい。p399
IMFと世銀はまったく協調していない。p401
私たちの目標は極度の貧困をなくすことであり、すべての貧困をなくすことではないp404
ボツワナ、ナイジェリア、セネガル、ウガンダの4国の2000年のGDP合計は570億ドル(人口は1億6千万)、その年のアメリカ高額所得者上位400人の所得は690億ドル p423
マーシャルプランでは(1948-52)アメリカは平均してGNPの1%を超える援助をした。p467
アメリカは、大国幻想と単独行動の癖を捨て、多国間協議に参加すること重要。ネオコン(新保守主義)のいうアメリカ帝国など幻想にすぎないが、きわめて危険な幻想p488
奴隷制廃止、植民地の解体、人種差別反対運動には共通した特徴がある。スタートした時には無謀な試みと言われた。p495
運動を成功させる9つの段階
貧困をなくすことを約束する
実行計画をもつ
貧しい人びとの声を届かせる
世界のリーダーとしてのアメリカの役割を回復する
IMFと世界銀行を救う
国連を強化する
科学をグローバルに活用する
持続可能な開発を促進する
一人一人が熱意をもってとりくむ

p45のHIVに関する部分は意味不明である(おそらく訳者のミスだろう)
また同時に傲慢な援助 ウイリアム・イースタリー 東洋経済新聞社 2009 を読まれると興味深いと思います。サックス教授はプランナーであり、成功しないと指摘しています。


貧困の終焉―2025年までに世界を変える
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